イスラエルの歴史、民族の離散と迫害
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ホロコーストのトラウマがイスラエル建国思想の底流にある
イスラエルの歴史、民族の離散と迫害(2)
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
国を追われたユダヤ民族は、その知識と能力を武器に各分野で活躍し、ついに念願の建国を果たす。しかし、そのイスラエル建国の思想的底流にあるものは、実は、ユダヤ人にとっての歴史的大惨事のトラウマだった! 歴史の真実をえぐり、イスラエルと世界の相互理解を提言する島田晴雄氏の歴史講義の後編。(全5話中第5話目)
時間:15分00秒
収録日:2013年10月4日
追加日:2014年8月7日
≪全文≫

●土地から切り離された弱みを知識でカバーしたユダヤ民族


 キリスト教徒たちはユダヤ人に土地を持つことを絶対に許しませんでしたが、土地を持てなくてもなんとか生きていかなければなりません。ユダヤ人はもともと頭のいい民族ですから一生懸命、金融を勉強し、科学技術を進め、芸術を推進したわけです。『ベニスの商人』という物語の中ではユダヤ人は狡猾な商人として描かれていますが、全て生きる手段を失ったユダヤ人たちが種銭を構築して、ベニスの町で一攫千金を夢見る船乗りたちが東洋に胡椒の種を求めて出ていくときに、ファイナンスをしていた。今の言葉で言えばプロジェクトファイナンスの専門家だったわけです。そういう技能もユダヤ人が構築しました。

 そのプロジェクトファイナンスの専門家だったユダヤ人たちの努力のおかげで、実は経済活動の中に投資活動というものがでてきて、投資活動のメリット、デメリットを全体として会計上把握するという技法もイタリアで発達し、実はその頃のイタリアで資本主義の原形ができたのです。その資本主義経済の原形がオランダやイギリスに伝わり、今日の世界の資本主義経済のもとが築かれたということでして、土地から切り離されたユダヤ人たちが工夫して努力した結果、今日の資本主義市場経済の重要な基礎になったということが、一つ言えるわけです。

 頭のいい民族ですから、いろいろな科学技術に秀でた人々が出てきました。土地がないので、知識で努力をしたわけです。アインシュタインという相対性理論を考えついた大変な天才がいます。他にもたくさんの人たちがいますが、典型的なユダヤ人の学者です。ノーベル賞をとる学者たちのかなりの数がユダヤ人ですし、アメリカに行くと大学教授や金融関係者の多くはユダヤ人です。ヨーロッパの、イギリスとフランスなどに渡って巨大な資産を活用して君臨したロスチャイルド家もユダヤ人です。1900年間にわたる流浪と離散の苦しい歴史の中で懸命な努力をして、こういうものを築き上げていった人たちだということが言えます。

 また一方、ユダヤ人は芸術にも秀でていました。ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団の花形指揮者だったレナード・バーンスタインもユダヤ人です。メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲は、私は子どもの頃から好きなのですが、彼もユダヤ人、すばらしい交響曲を書き続けたグスタフ・マーラー...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
中西輝政
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(27)昭和の名将・根本博
【10min解説】根本博…戦後の内蒙古での激闘と台湾での義戦
テンミニッツ・アカデミー編集部
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(5)1人の力で歴史を変えた男たち
大義にもとづく「個人の決断と行動」が歴史を動かす…名将の教訓
門田隆将
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(3)祖先崇拝の5つの特徴
夢魔の重圧?…なぜ「バチあたりの人間」が村八分になるのか
賴住光子
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦