『マカーマート』から読む政治家の運
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
日本政治史に残る大記録…5回目の挑戦で勝敗を分けたのは
『マカーマート』から読む政治家の運(2)リーダーの資質と時の運
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
政治家のように選挙で選ばれる人に毀誉褒貶はつきものだ。しかし、昨今の批判は若干的外れで、リーダーとしての資質を問う議論は少ない。「時の運」に支配される政治闘争においては、勝っても負けてもリーダーに必要なのは、仲間のために一身を擲つ覚悟であり、だからこそ支持者が閥をなすのである。(全4話中第2話)
時間:13分57秒
収録日:2024年10月2日
追加日:2024年10月19日
≪全文≫

●評価も批判も受ける君主と政治家たち


 皆さん、こんにちは。前回は『マカーマート』についてご説明し、それを今回の総理総裁選の選出にまつわる政治分析の一助といたしました。

 最後で私が読み上げた(のは、次の詩でした)。

 「君主なる者いずれも気まぐれで
 欠点のみぞ多き者、ああどれ程に
 欠点を持ちし者なるか!
 善行をなし、礎石を落成式まで
 積み上げる君候の如何程あるや?」

 君候とは君主のことです。このようにして評価を受けるのは、もちろん君主だけではありません。

 現代においても政治的な指導者たちは、今回の総理総裁選の候補者たちもそうであるように、人々の評価や批判にさらされます。

 国会の総理候補者についても、特徴や個性はポジティブなものばかりではなく、批判者や政治ジャーナリズムはネガティブな部分、もしくは後ろ向きな部分も、しばしば取り上げます。例えば小泉進次郎氏については、彼の知性や教養のあり方まで露骨に揶揄するジャーナリストもおり、一部の人たちは厳しく嘲弄するほどでした。

 そもそも政治家としての素質の欠点を衝くのはともかくとして、政治家の学歴などをことさらにあげつらうのはまことに不見識であり、嘆かわしいものです。当然のことですが、閣僚や国会の常任委員長たち、また党の役員たちの中には、しばしば高校卒業者や専門学校卒業者もいるわけです。大学や大学院の卒業などをもって、政治家としての資質があるやなしやというような議論は、あまりに問題を短絡化しているということです。


●政治家の資質として、負けたときには支援者たちに心を砕くべき


 それよりもむしろ重要なことは、政治家の資質として自分がリーダーとして負けた場合、非常に古い言葉を使えばいわゆる「子分」あるいは「弟子」たち、今でいえば「支持者」たちや「サポーター」あるいは「後援者」や「支援者たち」、彼らがどこへ立ちゆくのか、やはり古い言葉でいうと「身過ぎ世過ぎ」というものにも、鋭意心を砕くべきです。

 つまり、自分だけが大臣や党役員として残り、負けた自分に従ってきた同志たちを無役の冷や飯食いに放置するようなことでは、リーダーとはいえないわけです。そういう点で自民党というのはある意味で、高市氏や小林(鷹之。コバホーク)氏らが、同志たちの入閣と引き換えに自分の入閣や役員就任を拒否したり、自分は...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「ホメロス叙事詩」を読むために(5)『イリアス』の世界ーその1
叙事詩イリアス…トロイア戦争最後の50日間を描いた傑作
納富信留
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(1)悩みの99%は他者との関係性
「使命観=パーパス」に立脚できないのは自分のエゴのせい
田村潤
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎