『マカーマート』から読む政治家の運
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
運の変化に逆ギレ!?運に恵まれた人に訪れる試練のとき
『マカーマート』から読む政治家の運(3)権力者を訪れる試練
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
法治国家の最高権力者は、政権を掌握したその日から権力を失うことを覚悟しなければならない。彼をその地位に導いたのは運であり、運の本質は気まぐれなものだ。『マカーマート』は万人に対し、「罪悪招く原因より身をば離るが良し」と忠告する。いずれ時運は、風向きを変えてしまうからだ。(全4話中第3話)
時間:13分14秒
収録日:2024年10月2日
追加日:2024年10月26日
≪全文≫

●「自民党はルールを守るべき」の名言を石破氏は忘れたか


 皆さん、こんにちは。『マカーマート』はこのようにもいっております。ちょっと読みましょう。

 「良き来世のため自(みずか)らに 
 善となるもの積むが良し
 何事であれ罪悪(あく)招く
 原因(もと)より身をば離(か)るが良し
 ・・・・・・
 されば幸福(しあわせ)約束されん
 我が説きし道歩む者
 己(おの)が進まん人生を
 導く指針とする者に!」

 少し難しい表現のところもありますが、内容はこういうことを言っています。来世に限らず近い将来のためにわれわれが学ぶべきは、政治においても「常に善を積むべき」だというのは、その通りです。

 しかし、今回新総裁・新総理になった石破氏が、直前まで自分と各大臣は新政権の主旨や改革の内容について、野党とゆっくり議論し、熟議を重ねると唱えていたのは、皆さんのご記憶にも新しいと思います。ところが、就任されるとすぐに早期解散と選挙への道のスケジュールをいち早く打ち出したわけです。これには、私も含めて多くの方が驚いたと思います。

 あえて石破氏に厳しい言い方をすると、(彼は)『マカーマート』の言う「罪悪を招く原因から自分の身を引き離すほうがよい」といった教えを忘れたかのように思われるのです。石破氏は「自民党はルールを守るべきだ」という名言を、総裁選挙戦のときに語りました。そのときに約束した道に違わない道を進んでいれば、幸福は約束されるはずだった。それなのに、自分が約束した道さえ変えてしまったことに驚きを感じざるをえないのです。

 つまり、自分が語った約束も、約束した道をも変えてしまった石破氏のことばを、人はこれから信じるのだろうか。また、人が信じるいかなる人生の指針を、これからの石破氏が我々に対して提示してくれるのか。そういう指針は残っているのか、といささか心配になるのです。


●選挙による洗礼が政治生命を左右する


 (今の)日本においては、政権を掌握したその日から、総理となる者は権力を失うことを覚悟しなければならない。その事実には恐怖に駆られますし、しかも厄介なことに、政治で権力を得た者がそれを失う時期は誰にも分からないのです。

 首相・総裁たるご本人にも分からない。非常に不吉なことを申しますと、選挙による洗礼を受けるか、あるいは選挙による洗礼を受け...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(4)アレクサンドル・ネフスキーの英雄化
ロシアの英雄「アレクサンドル・ネフスキー」はなぜ英雄か…ドイツ騎士団と戦った歴史がどう利用されたか
上月豊久
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(8)『オデュッセイア』の世界的影響
オデュッセイアが物語のフォーマット?…アラビアンナイトから百合若物語、ひまわりまで
松村一男
今後の技術革新と企業経営(6)仮想通貨とフィンテック
仮想通貨が本当の「通貨」にならない理由
柳川範之
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(4)郡家の発掘と新田山を詠んだ東歌
「東歌」に刻印された奈良時代の真実とは?…地方に気をつかい地方のパワーを取り込んで中央政権はできていた
上野誠