過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲
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MAGA内戦勃発…なぜトランプがMAGAの敵になってしまうのか
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(2)MAGAの矛盾と内戦の現状
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
左右を問わず過激化に向かう米国の政治状況。右派の過激化は、MAGAが抱える矛盾がその種となっており、有力インフルエンサーのタッカー・カールソン氏と白人ナショナリストのニック・フエンテス氏の対談によりMAGA内戦の火蓋が切られた。いったいどういうことなのか。100年前の体制へと先祖返りし、露呈したユダヤ問題とは何か。今後、トランプ大統領さえもMAGAの敵になり得る状況だというが、それはなぜか。勃発したMAGA内戦の現状について解説する。(全3話中第2話)
時間:6分36秒
収録日:2025年11月13日
追加日:2025年12月29日
カテゴリー:
≪全文≫

●MAGAの矛盾…「狂騒の1920年代」への先祖返り


 そこで、この過激化プロセスの観点から右派の状況を詳しく見ていきたいと思うのですけれど、MAGAの矛盾がまずあるわけなのです。

 そもそもMAGA(Make America Great Again)というこの運動は、実は保守主義の死を象徴します。これは何がいいたいかといいますと、本来、米国はまず国の歴史が浅い、そしていろいろな多文化から成っている国なので、保守主義はあり得ない国だと思います。しかし、第2次世界大戦後に英国からエドマンド・バークの保守主義を輸入して、冷戦時代は共和党の中核思想が保守主義になりました。

 しかし、これは英国流保守主義であり、米国の土着の思想ではないのです。ここに冷戦時代に英国が当時持っていた対米戦略としてその英米の特別な関係を支援するということがありました。そこで英国が熱心に米国に対して輸出したのが、このエドマンド・バークの保守主義もあります。なので、実は米国のバークを基調としたこの保守主義は、英国の対米戦略の意味合いもあったわけなのです。

 冷戦時代は本当にその英国から輸入した保守主義が主流になったわけなのですけれど、冷戦後に米国の保守主義がネオコン、つまり「新保守主義」といわれる主にユダヤ系の人たちが唱えた新しい保守主義の理論があるのですけれど、このネオコンに乗っ取られました。そして9.11とかイラク・アフガン戦争とかで、積極介入主義の方向になってきまして、それで保守主義が自壊しました。その反動として出てきたのが米国第一主義(アメリカ・ファースト)をその中核とするMAGAという運動なのです。

 このMAGAに乗っ取られた共和党は、2010年代ぐらいから始まるわけなのですけれど、この1920年代に実は先祖返りします。つまり、英国流の保守主義を米国が導入する前にあった共和党の思想が、実は米国第一主義であり、これが21世紀ではMAGAという名前に変わっただけであって、実は1920年代に先祖返りしているということです。つまり当時のハーディング、クーリッジ、フーヴァーによる「狂騒の1920年代」の共和党の思想に先祖返りしている状況が、今のMAGA運動の実態です。

 このMAGAとは、究極的には私の解釈にもとづけば衝動である、(つまり)一つの感情論だと思います。根本にはアメリカ独立革命における暴政に対する嫌悪...

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