これからの社会・経済の構造変化
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
柳川範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授)
いま世界が大きな転換期を迎えている。これから日本社会と経済の構造も大きく変わっていくことは間違いない。では、どのように変わっていくのか。柳川範之先生が、そのヒントを鋭く探っていく講義シリーズ。インターネットやAI技術の発展で社会の情報伝達構造は大きく変わった。誰もが即座に情報を得られる「フラット化」の時代に、従来の日本の組織の「ヒエラルキー」や「無謬性の原則」ではあまりにスピードが遅すぎる。また、従来の民主主義の意思決定システムもスピードの遅さが懸念される。これは民主主義が技術革新を十分に取り入れられていないことを意味する。独裁などに陥るのではなく、いかに民主主義をバージョンアップして意思決定スピードを上げられるのだろうか。(全4話中第1話)
時間:10分22秒
収録日:2025年12月9日
追加日:2026年1月28日
≪全文≫

●情報伝達構造の大転換―フラット化がすべてを塗り変える


 今回は少し大きなタイトルで、これからの社会・経済の構造変化ということで、少し私が考えている大きな流れというか、大きな変化の特徴をお話しできればと思っております。質疑応答もあるので、1時間ぐらいお話しさせていただいて、その後、皆さんからまたご質問をお受けできればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 今回、申し上げたいここでの話は技術革新が起きている中で、意思決定システムが本当は変わっていかなければいけないのに、かなり遅れている、あるいはそれをどう変えていいかよく分からないという課題を抱えていると考えるからです。

 ここ(スライド)に書きましたけれど、情報伝達構造のイノベーションが起きて、社会のシステムは明らかに構造変化を起こしているのだと思うのです。それが皆さんに分かりやすい話でいけば、企業組織は変えなければいけないということでDXといわれているわけです。DXということは、本当はDigital Transformationなので、組織そのものを変えていかなければいけないのですけれど、なかなか日本企業の場合、組織そのものを変えるというよりは技術導入だけで終わってしまっているという現状問題はあるのです。

 ただ現状問題は脇に置いておくと、情報伝達構造が変わったから、組織は変わらなければいけないし、権限の配分構造をすごく変えていかないと企業は生き残れないとみんな思っているわけです。

 それはネットができて、これは政府の会議でもよく言ったのですけれど、メールでみんなにccで全て情報が送れるようになった以上、ヒエラルキーな情報伝達構造はあまり意味がないのです。

 昔は、覚えていらっしゃる方もいるのかもしれませんけれど、今でもある会社はありますけれど、順番に(例えば)係長が判を押して、課長が押して、部長が押して、役員が押して、社長が最後判を押して、それでようやく全員の意思決定が(終わる、つまり)、これでいいですね、みたいになっていくということです。こういうことでいくと、(それでも)社長が全部の判を押すわけにいかないから、社長が判を押すレベル、部長が判を押すレベル、課長が判を押すレベルと決めるけれど、いずれにしてもヒエラルキー...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(4)ビットコインは通貨たりうるか
ビットコインは通貨たりうるか…法定通貨との併存も困難?
養田功一郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(3)稲作社会と頑張る日本人
ダメなのは「頑張りが足らない」から…うつを招く稲作的発想
與那覇潤
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
新撰組と幕末日本の「真実」(3)「日野と多摩」の風土と天然理心流
田舎のヤンキー像は大違い…日野の豊かさと文武両道の気風
堀口茉純
これからの社会・経済の構造変化(3)新しいファミリーガバナンスの時代
なぜいまファミリー企業への注目が世界的に高まっているか
柳川範之