印象派の解体と最後の印象派展
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ドガ《エトワール》…新技法を追求した印象派の代表作品
印象派の解体と最後の印象派展(3)観察と探究のドガ
安井裕雄(三菱一号館美術館 上席学芸員)
4.印象派を裏で支えたカイユボット…なぜ評価が低かったのか
2026年3月20日配信予定

5.ゴーガン、ルドン、スーラ、ゴッホ…ポスト印象派の時代へ
2026年3月21日配信予定
講義一覧を見る▼
印象派展からその中心だった風景画家たちが退いていく中で、リーダーシップを取った画家の一人がドガだった。それまでは主題になりづらかった卑近な瞬間を切り取るその卓越した観察眼や、油彩が主流の印象派においてパステル画や蝋の彫刻を出品したドガ。そうした彼の独自の手法の探究を解説する。(全5話中第3話)
時間:10分11秒
収録日:2023年12月28日
追加日:2026年3月14日
カテゴリー:
≪全文≫

●卓越していたドガの観察眼


 この間、印象派の画家たちのうちの主要な画家たちが、だんだんと印象派展から離脱していく中で、中心となっていた画家はピサロとドガでした。特にドガは印象派の中にあって、その独自の表現が際立っていました。印象派のグループの中には、現代ではそれほど名前が知られていない何人もの画家たちが、ドガの影響を受けてドガ風の作品を出品して、ドガの仲間たちと目されていました。

 その中でも、一番有名でかつ優れていたのは、アメリカ人の女性画家である、あのメアリー・カサットだと思います。

 ドガは最初、歴史的な事物を描く画家としてスタートしましたけれど、競馬あるいはこのような踊り子たちといった同時代の風俗、風物、人物の表現にだんだんと集中していくようになります。競馬、踊り子、湯浴みをする女性、これを私はドガの3つの大きな主題だと思っていますけれど、競馬などは第1回の印象派展でももう出品されていますし、このバレエのレッスンを描いた踊り子たちの姿(の作品)ですが1回展、2回展ともに出品されている。比較的後の時代になってドガが描くようになったのが、この金たらいを使って(湯浴みをして)いる作品です。

 昔は日本の家庭でもけっこうよく見たものですが、最近ではもうほとんど見なくなってしまいました。日本のように水環境の良くないフランスでは、長い間、部屋の中にバスタブがない家庭も多かったのです。

 ホテルもほとんどバスタブなしのホテルばかりでしたし、私がフランスを訪れたときに泊まるホテルはシャワー共同です。お手洗いも共同です。シャワーがお部屋の中にないところも長い間、本当にごく最近までフランスで普通だったと私は思っています。その中でどうやって身体をきれいにするのかというと、少ない水を使って効果的に身体を洗うためには、こういった金たらいを使って身体を洗うということしか方法がなかったのです。

 ドガの卓越したところは、そういったまったく絵にならないような主題ですが、その中での人物の動作を一瞬にして切り取ってしまう。同時代の画家たちが何も考えもしなかったような視角、視点の角度から――これは浮世絵の影響とも...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「芸術と文化」でまず見るべき講義シリーズ
印象派の解体と最後の印象派展(1)セザンヌと印象派
印象派の画家に大きな影響を与えたセザンヌの構築的筆触
安井裕雄
『源氏物語』を味わう(1)『源氏物語』を読むための基礎知識
源氏物語の基礎知識…人物関係図でみる物語の流れと読み方
林望
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
和歌のレトリック~技法と鑑賞(1)枕詞:その1
ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?
渡部泰明
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
「和歌」と「宣命」でたどる奈良時代の日本語とその変遷
釘貫亨
いま夏目漱石の前期三部作を読む(1)夏目漱石を読み直す意味
メンタルが苦しくなったら?…今、夏目漱石を読み直す意味
與那覇潤

人気の講義ランキングTOP10
印象派の解体と最後の印象派展(1)セザンヌと印象派
印象派の画家に大きな影響を与えたセザンヌの構築的筆触
安井裕雄
印象派の誕生~8人の主要な芸術家
マネ、モネ、ルノワール…芸術家8人の関係と印象派の誕生
安井裕雄
新撰組と幕末日本の「真実」(2)土方歳三像の真相と江戸の生活事情
土方歳三のイメージはどこまで本当?驚くべき「江戸の常識」
堀口茉純
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
印象派とは~画家たちの関係性から技法まで(1)印象派への誤解
風景画家だけの集まり…?誤解された印象派の本当の姿
安井裕雄
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(6)日本人の現場力のすごさ
日本は助かる運命にあった…わが国は現場力で保っている国
門田隆将
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
編集部ラジオ2026(4)門田隆将先生「Fukushima50」の真実
【10分解説】福島第一原発事故…吉田昌郎氏と現場の底力
テンミニッツ・アカデミー編集部