これから必要な人材と人材教育とは?
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AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
柳川範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授)
AI時代の今、私たちに必要な能力は何なのか。これまで重視されてきた知識の詰め込みは、もはや重要ではない。AIと人間が相互補完的であるために必要なのは「問いを立てる能力」である。そして、そのために鍵となるのは、好奇心と多様な知への接触だ。それによって分野を越境し、縦割り的な組織のあり方も乗り越えることにつながっていく。そうした中、学校教育における教師の役割も大きく変わっていくことになる。(全3話中第2話)
時間:10分37秒
収録日:2025年12月9日
追加日:2026年2月11日
カテゴリー:
≪全文≫

●「問いを立てる能力」をいかに育てるか


 AIの話がありました。皆さんいろいろ議論することが多いと思うのでよく知っていることもあると思います。AI時代といわれているなかで、生成AIがすごく発達してきたときに何が起きるのかということは100パーセント見えているわけではないのですけれど、今のところ必要になってきている話は、先ほどの保守点検もそうなのですが、人材がどれだけ活用、活躍できるかという話です。それはAIをうまく使いこなして、AIと人間との補完関係で付加価値をどうやって生み出すか。そういう人材やそういう組織を作っていくには、どうしたらいいかということです。

 そのときに、この(資料の)下の話は人材育成でもあるのですが、学校教育の課題でもあって、どちらかというと子ども、(特に)中高校生などに、これからどんな能力が必要なのかという目線で書いていると思って見ていただくといいかと思います。しかしそれは企業の中でも同じだと思うのです。

 大事なのは「問いを立てる能力」です。いかに問いをうまく立てて、問題を提示できるか。誰でも、答えはAIが出してくれる。今の時代、生成AIがほぼ完璧な答えを出してくれる。(だから)答えを出す必要はないのです。

 ところが、残念ながら学校教育も、あるいは大学入試も、いまだに一生懸命答えさせる問題になっているのです。これは明らかに今の時代に、あるいはこれからの時代に合っていないので、あの種の大学入試はできるだけ早くやめないと、おそらくわれわれの必要な能力のチェックにはならなくなる。年号を覚えるなどということは、まるっきり意味がないのです。年号などはAIですぐ出てくるからです。ただ、年号から何かを考えることは大事です。「この時代に起きたことから考える」ことは大事なのです。

 ついでにいいますと、AIに影響を受けた産業はいっぱいあって、どの産業が影響を受けたかという話があると思うのですが、実は教育業界が一番影響を受けていると思います。特に大学教育は思いっきり影響を受けている産業の1つで、レポート課題は出せなくなってしまったのです。もうほとんど無意味です。

 例えば、「金融政策の、10年の歴史を振り返って、どういう議論があって、どういう政策の変遷が起きたかをレポートにまとめなさい」というような話でいくと、(か...

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