聖徳太子「十七条憲法」を読む
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
律令国家への道…皆「凡夫」だから人の意見を聞き調和せよ
第2話へ進む
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
賴住光子(東京大学名誉教授/駒澤大学仏教学部 教授)
「和を以て貴しと為(す)」に始まる聖徳太子の「十七条憲法」。これほど有名で、内容の一部も広く知られている日本古代の文書は他にないのではないだろうか。十七条憲法は日本の道徳、倫理の歴史を考える上で、一つの重要な出発点となる著作だと賴住氏は言う。氏によれば、太子の説く「和」は、現代の「和」が帯びる「忖度」や「空気を読む」という解釈とは随分違うという。実は、聖徳太子の「和」は、「議論をした上で生み出していく共同性」のことなのである。なぜ今、日本人として十七条憲法について考える必要があるのか。当時の歴史的背景や、「十七条憲法は後世に捏造された」という説への反駁(はんばく)、さらに遣隋使の真実なども交えながら、考えていく。(全6話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:15分17秒
収録日:2023年8月24日
追加日:2023年12月7日
カテゴリー:
≪全文≫

●今、聖徳太子の「十七条憲法」を考える意味


―― 皆さま、こんにちは。本日は頼住光子先生に、聖徳太子の十七条憲法について講義をいただきたいと思っています。頼住先生、どうぞよろしくお願いいたします。

賴住 よろしくお願いいたします。

―― 先生には以前、私どもテンミニッツTVで「日本仏教の名僧・名著」という講義シリーズをお話しいただいて、そこでも聖徳太子についてお話をいただきました。その折りに非常に印象深かったのが、聖徳太子といえば一番有名なのが十七条憲法の「和を以て貴つとしと為(す)」であるというところです。

 この「和」は、通常の通俗的解釈では「とにかく、まとまれ」「仲良くすればいいですよ」ということですが、そうではなく「議論を重視していた」と先生は強調されていました。そのあたりも含めて、ぜひ現代的意義、なぜ今日本人として十七条憲法について考える必要があるのかということを、まずお聞きしたいのですが、いかがでしょうか。

賴住 そうですね。十七条憲法というのは、日本の道徳、倫理の歴史を考える上で一つの重要な出発点となる著作だと考えています。内容的にも今おっしゃっていただいたように、「和というのを、議論をした上で生み出していく共同性である」と捉えているところは、現代においても非常に重要であると考えています。

 日本人はとかく和というと「忖度する」とか「空気を読む」というイメージで考えがちですが、もともとはそうではなかったのだと。

―― そこは面白いですよね。

賴住 そうですね。そのことがやはり極めて重要です。世の中に非常にいろいろな矛盾や葛藤が多くなっている今こそ、その中で議論して共同性を生み出していくということの原点をもう一度考えてみる。そういう意味で、聖徳太子の十七条憲法は重要なものではないかと思います。

―― そのような和をどのように考えていたのか。これから和を、われわれとしてどう生かすべきか。そのあたりはまた(シリーズの)後半で、実際に条文を読み解きながら先生に教えていただければと思っています。

賴住 はい。

―― それ以外の面で、この十七条憲法を今、読む意味はどこにあると、先生はお考えでしょうか。

賴住 そうですね。やはり聖徳太子というのは日本という国の骨格というものを、非常に考えていらしたと...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
デカルトの存在論に学ぶ(1) 「我思う、ゆえに我在り」
「我思う、ゆえに我在り」はデカルトの専売特許ではない
津崎良典
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留
人生に活かす東洋思想(1)人生の成功とは何か
東洋思想の「徳」や「道」をわかりやすくいうと?
田口佳史
伊能忠敬に学ぶ「第二の人生」の生き方(1)少年時代
伊能忠敬に学ぶ、人生を高めて充実させる「工夫と覚悟」
童門冬二
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(4)アレクサンドル・ネフスキーの英雄化
ロシアの英雄「アレクサンドル・ネフスキー」はなぜ英雄か…ドイツ騎士団と戦った歴史がどう利用されたか
上月豊久
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(3)国司と郡司のつきあい
郡司の妻たちと宴会!?……国司・大原真人今城へのはなむけの歌に記された「媚態表現」の真相と人心掌握術
上野誠
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治