聖徳太子「十七条憲法」を読む
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
律令国家への道…皆「凡夫」だから人の意見を聞き調和せよ
聖徳太子「十七条憲法」を読む(2)十七条憲法の特徴と聖徳太子の先進性
賴住光子(東京大学名誉教授/駒澤大学仏教学部 教授)
十七条憲法の特徴は、日本の新たな国づくり、その秩序・維持のため、君(天皇)と民(人民)とを結ぶ「官人(役人)」に対する心構えを説いたところである。日本が氏族社会から律令社会に移行し、当時の東アジアの国々と伍するにあたり、官の役割は非常に重要になった。その重要な局面で学ぶべきこととして、聖徳太子は十七条憲法に外来の仏教、儒教、法家の思想を盛り込んでいったのだ。そこで聖徳太子は、「議論」と「自分の意見に固執しないこと」の大切さを説く。なぜなら、われらは皆「凡夫」だからだ。(全6話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分07秒
収録日:2023年8月24日
追加日:2023年12月14日
カテゴリー:
≪全文≫

●「官人」に対する心構えを説いた十七条憲法


―― それでは、十七条憲法にどういうことが書かれていたのか。細かい条文解説は後ほどいただくとして、まずは概略として教えていただきたいと思います。

賴住 そうですね。まず大きな枠組みとして、三つのグループがあると思います。まず、「君」ということで天皇。この時代は、まだ天皇という呼び名がなかったといわれていますが、後の時代の天皇に当たる方がおられて、その下に官人(かんじん、かんにん)という役人たちがいる。そして一番基礎のところに民(人民)がいる。

 こういう構造をまず考えると、君と民をつないでいく官人(役人)に対する心構えを説いていると考えることができるのではないかと思います。

―― はい。

賴住 それ以前にはそれぞれ豪族がいて、私的に土地や民などを統治している状況だったと思います。その豪族の中でも有力な豪族同士がいろいろ話し合ったりしながら政権を運営しているのが、当時の状況だったと思います。

 そういう氏族制的な社会のあり方から、中央集権的な国家体制に(移行させる)。例えば中国の隋などもそういう体制を整えて、どんどん国力を増してきたので、日本としてもそれに倣って、社会のあり方を大きく変えていこうという基本(構想)がありました。

 では、そういう国の中で、役人は具体的にはどういう役割をするのか、どういう心構えでいなければいけないのかなどを問うている。(十七条憲法は)そういうものではないかと思っています。

―― この後、日本はいわゆる律令制にどう持っていくかということが非常に大きな課題になっていきますが、その端緒的な時代がまさにここにあったというところになりますね。

賴住 そうですね。そのように考えることができると思います。


●日本社会成立のために学ばれた儒教と仏教


―― そのような大きな時代状況、国際状況の中で、では具体的にどのようなことを官人(役人)に説いたのかというところになりますが、ここはどうでしょうか。

賴住 そうですね。まず儒教、仏教、さらに法家というように、その当時は外国からの思想がたくさん入ってきていました。それらを学ぶわけですが、例えば儒教であれば「礼」ですね。「礼」は一言でいうと「秩序」ということですが、秩序を維持していく徳目として「礼...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸
おもしろき『法華経』の世界(1)法華経はSFだ!
法華経はSFだ!…心を元気にしてくれる法華経入門
鎌田東二
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
編集部ラジオ2026(34)『オデュッセイア』の秘密と愉しみ
【10min解説】大ヒット映画『オデュッセイア』がもっと楽しくなる神話講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
経験学習を促すリーダーシップ(3)成功の再現性と教え上手の指導法
教え上手の指導法に学ぶ!成功の再現性を高める4ステップ
松尾睦
大人の学び~発展しつづける人生のために(1)「Unlearn(アンラーン)」とは何か
見方を変える!生き方を変える!そのためのアンラーン
為末大