聖徳太子「十七条憲法」を読む
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
仏教を重んじる深い理由…なぜ親鸞は聖徳太子を尊敬したか
聖徳太子「十七条憲法」を読む(4)聖徳太子の思想と日本の独立性
賴住光子(東京大学名誉教授/駒澤大学仏教学部 教授)
十七条憲法について、「中国で隋の直前の時代にあたる北朝の文書(六条詔書)を模倣したものではないか」「中国の思想のパッチワークではないか」といった指摘もある。もちろん、似ている部分や取り入れている部分もある。しかし詳細に見ていくと、やはり聖徳太子は内容的に独自のものを打ち出しており、「十七条憲法」の内容は、日本独自のものだという。それは、はたしてどのような点なのだろうか。また、聖徳太子は後世の日本人にも思想的に大きな影響を与えた。たとえば、親鸞も聖徳太子を深く尊敬した1人である。日本仏教の先駆者として聖徳太子が後世に与えた影響とともに解説する。(全6話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:15分09秒
収録日:2023年8月24日
追加日:2023年12月28日
カテゴリー:
≪全文≫

●「十七条憲法」は聖徳太子のオリジナル、中国の類似文書との違い


―― 賴住先生、ここまでいろいろお話しいただいてまいりまして、中国から来た伝来の思想を取り込みつつ日本的にやっていったというのが聖徳太子の特徴だということでした。いろいろな人に言わせると、「これはコピーでしょう」「中国のいろいろな思想をパッチワークしただけではないか」という話もあると思いますが、そういう意見についてはどのように見ておられますか。

賴住 そうですね。やはり単なるコピーではないと考えています。十七条憲法については中国に似たようなものがないわけではなく、例えば中国の北朝の官僚に対する倫理規定というものがいくつか作られています。

―― それは隋の前に当たる時代ですね。

賴住 そうです。隋の前に当たる時代ですが、それと似ているのではないかといわれています。例えば、北周というのが隋の直前の時代にあるのですが、その北周で「六条詔書」というものが作られていて、聖徳太子が作った十七条憲法とかなり似ている。この影響の下にできたのではないかといわれています。

 ただし官僚に対する倫理規定という意味では似ていますが、内容的に見ていくと相当違っている。その意味で、「聖徳太子のオリジナル」であるということもできるのではないかと思います。

 例えば六条詔書の第1条では何をいっているかというと、「心を治むるを先ず」といっています。自分の心の持ち方、自分の内面のあり方を一番最初にいっているわけです。聖徳太子の場合は「和を以て貴しと為(す)」ということで、他者と自分との関係である「和」を最初に言っています。

 同じ倫理規定といっても、聖徳太子の場合は非常にオリジナルなものを打ち出しているといえるかと思います。役人に対する倫理規定という意味では影響を受けていると思いますが、中身については相当オリジナリティが感じられるということができるかと思います。

―― このあたりは、本当に日本の面白いところですね。それこそ和歌のお話などもいろいろな先生にお伺いすると、かなり中国の漢詩の影響を受けて成立しているということもお聞きします。

 それは単に調えるといいますか、分類学的にはそのようにやっているけれども、中身はずっと三十一文字(みそひともじ)、つまり31文字を守り続けているところもあったりする。何かルールのようなも...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
現代の小児科学と最高の子育て(1)現代の小児科学の役割
困難の克服と幸せな人生の獲得、それが小児科学の目的
高橋孝雄
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(37)長谷川眞理子先生の公開収録!
【アンケート&公開収録】長谷川眞理子先生:男と女でどう違う?能力の高め方
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(2)タタールのくびきと「第三のローマ」
なぜロシアが「第三のローマ」なのか?…東ローマ帝国とモンゴル帝国の根深い影響を探る
上月豊久
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(7)幸福度を高める方法
幸せも不幸せも伝染する――幸せの輪を広げて世界平和へ
前野隆司