【入門】日本仏教の名僧・名著~総論
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「文は人なり」――原文を読んで名僧の思想の息吹に触れる
【入門】日本仏教の名僧・名著~総論(1)名僧の原著に触れる意味
哲学と生き方
賴住光子(東京大学名誉教授/駒澤大学仏教学部 教授)
書店には数多くの仏教の入門書が並んでいるが、名僧や開祖たちが残した著作は敷居が高く、なかなか手に取れない。名僧の息吹をじかに感じつつ、その教えに触れるのが本シリーズだ。総論の第1回では日本に仏教思想が伝来した当初からの流れを押さえつつ、聖徳太子・最澄、空海、源信の横顔を紹介する。(全3話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分55秒
収録日:2020年8月20日
追加日:2020年9月24日
≪全文≫

●なぜ名僧・名著の原文を読むことが重要なのか


―― 皆さま、こんにちは。本日は頼住光子先生にお越しいただきまして、「【入門】日本仏教の名僧・名著」ということでお話をいただこうと思っています。頼住先生、どうぞよろしくお願いいたします。

頼住 よろしくお願いいたします。

―― 今回の企画といたしましては、日本仏教の名僧と呼ばれる人物を取り上げ、それぞれの方が書いた著作によって彼らを追っていこうという趣旨を考えました。

 頼住先生の書かれた『日本の仏教思想―原文で読む仏教入門』(北樹出版社)というご本のなかには、まさにその趣旨でいろいろな方々の原文が載せられ、ご紹介されています。先生、このように原文を読んでいく意味は、どういうところにあると思われますか?

頼住 原文を読むというのは、その思想家が自分の考えを「こう表現しようか、ああ表現しようか」と、いろいろ考えた末に確定した、その表現を自分も味わって、その世界をともにすることだと思います。

 いろいろな「仏教入門」が出ています。概説書は概説書で、全体を見るという意味で、とてもいいと思うのですが、彼らの思想の「息吹」に直接に触れることが、その思想家を考えるうえで、とても重要なのではないかと思いました。そこで、原文のうちでも特に紹介したいというものをいくつか選んで、入門書として書かせていただいたということになります。

―― 「息吹」を感じるというのは、やはりとても大事なところですね。

頼住 そうだと思います。「文は人なり」ということがありますので、ただ「こういう思想ですよ」と言って概略を紹介されるよりも、実際に読んだほうが理解が深まる、と考えています。

―― 私どもは「テンミニッツTV」ですので、もちろん原文を全部ご紹介することは難しいわけですけれども、一文なり短い文をご紹介させていただいて、ご視聴の皆さまにはその息吹に触れていただければ、と思っています。


●日本の仏教を方向づけた聖徳太子からの流れ


―― 頼住先生はまた、ご近著として『さとりと日本人』(ぷねうま舎)という本もお書きになっています。こちらでは、聖徳太子の和の思想や道元の考え方などについて、お書きになっていらっしゃいます。

 さて、講義の本題のほうに入りたいと思います。今回、取り上げる人物として、全体はこういう形で考えています。


スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(1)「イエス」とは一体誰なのか
「イエス・キリスト」という名前の本当の意味は?
竹内修一
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
長谷川眞理子
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
おもしろき『法華経』の世界(1)法華経はSFだ!
法華経はSFだ!…心を元気にしてくれる法華経入門
鎌田東二
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司

人気の講義ランキングTOP10
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(2)国家戦略目標の転換
経済発展から「国家の安全」へ…転換された国家戦略目標
垂秀夫
経験学習を促すリーダーシップ(4)成功を振り返り、強みを伸ばす
なぜ強みが大事なのか?ドラッカー、西田幾多郎の答えは
松尾睦
編集部ラジオ2025(22)長谷川眞理子先生の「子育て」講義
生物学からわかる「ヒトの配偶や子育て」で大切なこと
テンミニッツ・アカデミー編集部
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(5)日本外交の進むべき道
中国の「国進民退」に危機感…これからの日中関係を読む
小原雅博
『孫子』を読む:虚実篇(1)いかに主導権を握るか
「虚実篇」から学ぶ優秀なリーダーの役割と戦略の重要性
田口佳史
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は音楽と数学であふれている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(2)ヒトの子育てと脳の関係
チンパンジーは乱婚、ヒトは夫婦…人間の特殊性と複雑性
長谷川眞理子
第2の人生を明るくする労働市場改革(1)日本の労働市場が抱える問題
シニアの雇用、正規・非正規の格差…日本の労働市場の問題
宮本弘曉