【入門】日本仏教の名僧・名著~総論
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
法然・親鸞・道元・日蓮の研究が下火になっている理由
【入門】日本仏教の名僧・名著~総論(2)新しい思想の息吹を追う
賴住光子(東京大学名誉教授/駒澤大学仏教学部 教授)
平安末期から鎌倉時代、公家から武家の世の中が始まると、それ以前とは異なる思想が必要になった。浄土思想が普及し、禅宗が伝来して始まった新しい仏教の流れは、現代にも大きな影響を与えている。総論の第2回では、さまざまなあり方から一つの方法を選んだ「選択」と明恵による「総合」を対比する。(全3話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分21秒
収録日:2020年8月20日
追加日:2020年10月1日
≪全文≫

●「選択」の鎌倉仏教、「総合」の明恵


―― それでは、この表で法然と親鸞のあいだに挟まれている明恵という僧について、解説をお願いします。

頼住 そうですね。はい。明恵は鎌倉時代の人ですが、鎌倉仏教でよくいわれる「法然・親鸞・道元・日蓮」という流れの方がたとは少し方向性の違う人物です。

 どういうふうに違うかというと、例えば法然や親鸞の場合は「専修念仏(せんじゅねんぶつ)」と言います。実は念仏にはいろいろなやり方があります。例えば阿弥陀仏の姿を思い描くのも、「仏を念ずる」という意味で非常に重要な念仏になります。しかし、法然や親鸞はそうではなく、「南無阿弥陀仏」と口で言うことだけに絞っていったり、選んでいったりしたことが特徴です。

 法然には、まさに『選択集(せんちゃくしゅう)』という主著があります。いろいろあるうちから一つだけを選んで、それに賭けていく。鎌倉仏教には、そのような方向性が非常に強いと言われています。

 例えば道元の場合は「只管打坐(しかんたざ)」で、坐禅に絞っていきましたし、日蓮の場合も「南無妙法蓮華経」という法華経のお題目に絞っていきます。そのように、何かこう、一つに集中していくという方向性を、鎌倉仏教は持っていると思います。

 明恵の場合、彼はもともと華厳宗の人ですが、華厳宗だけではなくて坐禅も取り入れるし、戒律も取り入れるし、また密教も取り入れていくように、非常に総合的なものを目指しています。だから、一般的な鎌倉仏教の「選択(せんちゃく)」として「選んで、集中していく」というのとは、また違う方向性を示しているということで、明恵もとても重要な人ではないかと思っています。


●最近「鎌倉新仏教」と呼ばなくなっているのはなぜか


―― それでは、今のお話でご紹介が出ましたが、年代でいうと「親鸞・道元・日蓮」という並びになっていくということですね。

頼住 そうですね。はい。

―― これは、ちょうど人物を追う形ですね。大きな流れもお話しいただきましたけれども、仏教のかたちでいうと、6世紀の半ばぐらいに仏教が日本に入ってきて、最初は「鎮護国家」仏教というお言葉がありましたが、まさに国を守ってもらう奈良仏教から、今度は山の仏教に入り、その次に「選択」と言いますか、絞っていくような仏教が展開していく...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
インド神話の基本を知る(1)インドの特性と神話の成り立ち
インド神話…『リグ・ヴェーダ』『マハーバーラタ』の壮絶な物語
鎌田東二
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤
「自分をコントロールする力」の仕組み(1)自制心と目標の達成
自制心の重要性…人間は1日4時間も何かを「欲求」している
森口佑介
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
『タテ社会の人間関係』と文明論(1)誤解を招いた「タテ社会」の定義
誤解された『タテ社会の人間関係』…日本社会の本質に迫る
與那覇潤

人気の講義ランキングTOP10
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
「ホメロス叙事詩」を読むために(7)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
宮本弘曉
ギリシア神話の基本を知る(1)「ゼウス以前」の神々の戦い
ギリシア神話…ゼウスの「父親殺し」とオリュンポス十二神
鎌田東二
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎