AIとデジタル時代の経営論
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
AIは「暗黙知・常識に基づく高度な判断」が不得意
AIとデジタル時代の経営論(6)暗黙知と判断力
一條和生(一橋大学名誉教授/IMD教授)
一橋大学大学院国際企業戦略研究科研究科長・教授の一條和生氏によれば、AIが不得手なのは、暗黙知・常識に基づく高度な判断である。人間の役割はこうした暗黙知を捨てず、個々の状況での判断力を磨いていくことだ。暗黙知を支える思い・信念を、企業の中でも、今以上に評価するようにしていく必要があるだろう。(2017年7月24日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「AIとデジタル時代のリーダーシップ」より、全9話中第6話)
時間:11分09秒
収録日:2017年7月24日
追加日:2017年10月30日
≪全文≫

●AIが不得意なのは、常識に支えられた高度な判断力だ


 AIの利活用にあたって、AIには何ができないかということも、考えておく必要があります。AIには、私たちが長年経験を積んで得てきた、いわゆる高度な暗黙知としての常識がありません。常識というのは、私たちの身体に植え付けられた高度な暗黙知なのです。

 例えば、AIが不得意とするのは、高度な判断力です。高度な判断力は、高度な常識に支えられているものです。それが如実に明らかになったのは、2016年に起きた、マイクロソフトのAI「Tay」の暴走です。Tayが突然、ヒトラーを肯定するなど、言ってはならないことを言い出したのです。

 悪意を持った人が、Tayにディープラーニングをさせたのです。その結果、「Hitler was right. I hate the Jews(ヒトラーは正しい。私はユダヤ人が嫌いだ)」というようなことを言い始めました。これは普通の人間であれば、言ってはいけないことだと分かります。ちなみに、「I fucking hate feminists and they should all die and burn in hell(私はフェミニストが大嫌いだ。あいつらは全員地獄に落ちろ)」という、ドナルド・トランプ大統領が言いそうなことさえ、言ってしまうのです。


●知識のフローの中に入り、新しい知識を創れ


 こうした中で今、世界的に注目が集まっているのは、知識、とりわけ暗黙知です。ケロッグ経営大学院の学長であるサリー・ブラント氏は、非常にリーダーシップの高い女性ですが、彼女が変革の時代に向けて重要なことを提言しています。世界中の学長が集まるカンファレンスで述べたことですが、「Create / disseminate knowledge(知識の創造と知識の伝播)」が大事だというのです。

 同じ時に、ジョン・シーリー・ブラウン氏の提言もありました。彼はPARC(Palo Alto Research Center)という、ゼロックスのつくった伝説的な研究所の所長を務めました。グラックユーザーインターフェースや、マウスを使った入力など、今のコンピューターの基本的なテクノロジーをつくったのは、PARCです。ただ、当時のゼロックスの経営者は、こうしたテクノロジーはコピー機には関係ないと言って、商品化を捨て去ってしまいました。PARCをのぞきに行ったスティーブ・ジョブズ氏が、そのアイデアを盗んでいったという逸話もあります。ブラウン氏は今、Amazonの社外取締役に就任しています。

 ブラウン...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
生き続ける松下幸之助の経営観(1)今も生きている幸之助
松下幸之助の考え方には今と昔を貫くものがある
江口克彦
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(15)昭和の名将・樋口季一郎
【10min解説】ユダヤ人救出、奇跡の撤退…名将・樋口季一郎
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(2)司令官の決断と苦悩
玉砕したアッツ島の絵を毎朝拝んでいた樋口季一郎…司令官の苦しみ
門田隆将
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(9)ユダヤ人の多様性
ユダヤ人は一枚岩ではない…米国ユダヤ人のイスラエルへの違和感
鶴見太郎
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将
ウェルビーイングを高めるDE&I(2)人と組織を取り巻く環境変化:後編
なぜ日本の幸福度は低すぎるのか?会社任せで失われる自律性
青島未佳
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
逆境に対峙する哲学(4)アサガオが枯れた話と天譴説
天譴説という儒教の知恵――統治のあり方を点検するために
津崎良典
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹