AIとデジタル時代の経営論
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
創業の原点に忠実であり続けてきたホンダ
AIとデジタル時代の経営論(9)ホンダのフィロソフィー
一條和生(一橋大学名誉教授/IMD教授)
一橋大学大学院国際企業戦略研究科研究科長・教授の一條和生氏は、ホンダの事例を通じて、日本企業には、デジタル化の中でも忘れるべきでない「らしさ」があると論じる。ホンダは本田宗一郎氏による創業以来、原点ともいうべき「Hondaのフィロソフィー」を継承し続けてきた。それがイノベーションを続ける原動力になっている。(2017年7月24日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「AIとデジタル時代のリーダーシップ」より、全9話中第9話)
時間:6分57秒
収録日:2017年7月24日
追加日:2017年11月2日
≪全文≫

●ホンダは最初から移動の楽しさを追求してきた会社だ


 ソニーとは対照的に、原点を徹底的に、忠実に守り続けているのは、ホンダです。ホンダは、自転車に湯たんぽと軍払い下げのエンジンを取り付けたところから始まり、スポーツカー、NSX、ジェット機、そしてASIMOと、常に進化し続けています。ホンダは単なる自動車会社でも、単なるモーターバイクの会社でもありません。むしろ、最初から移動の楽しさを追求してきた会社です。

 本田宗一郎氏が、最初から飛行機を造りたいと考えていたことは、有名な話です。その証拠に、ホンダのバイクのデザインは翼です。そしてようやく2016年に、飛行機製作が実現しました。しかも、翼の上にエンジンが付いています。常識をぶっ壊してしまいました。これによって、燃費効率も40パーセント改善するというのです。さらに常識をぶっ壊したのは、世界で初めて、ボディーとエンジンの両方を作った会社だということです。ボディーはボーイングやエアバス、エンジンはプラット・アンド・ホイットニーやGE、ロールスロイスが、別々につくっています。しかし、ホンダはその両方をつくっているのです。


●本田氏と藤沢氏は知的にぶつかりあっていた


 このように、次々とイノベーションを行っているホンダですが、その原点にあるのは、本田氏と藤沢武夫氏が創り上げたフィロソフィーです。ソニーの場合には、盛田昭夫氏が井深大氏を尊敬していましたが、本田氏と藤沢氏は完全に対立していました。知的にぶつかりあっていたのです。ある意味で、本田氏が暗黙知だとすれば、藤沢氏は形式知です。しかし、彼らは2人で一つなのです。

 本田氏と藤沢氏は、同時に会社を辞めました。有名な話ですが、藤沢氏が本田氏のところに行って、「おやじ、俺辞めるよ」と言うと、本田氏もすぐ、「俺も辞める」と言ったというのです。2人は完全に1つで、お互いにないものを補っていたのです。


●ホンダは徹底的に原点を維持し続けている


 知的バトルを繰り広げながらも、創業者2人の思いは同じでした。人々の幸せに役立つことをするのだという、フィロソフィーです。人間の幸せとは何なのか、そのために技術はどのように使われるべきか、これを常に2人は考えていました。こうした経営理念は、「Hondaフィロソフィー」と呼ばれます。ソニーが東京通信工業設立趣意書の理念を、一時期おろそかにしてしま...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
ウォーレン・バフェットの成功哲学(1)「世界一の投資家」の実像
世界一の投資家ウォーレン・バフェット…賢人と呼ばれる理由
桑原晃弥
組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
山浦一保
営業の勝敗、キリンの教訓(1)やる気のない社員になる理由
なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか?
田村潤
そこまでやるか
当たり前のことを徹底してやった時、初めて人の心は動く
上甲晃
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(12)自転車の青切符と「法と自粛」
【10minで考える】自転車の青切符と「法と自粛」
テンミニッツ・アカデミー編集部
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(5)ゴールドや暗号通貨への評価
ゴールドやビットコインへの評価は?…現代社会の写し鏡
養田功一郎
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(2)厳格な一神教と選民思想
一神教とは、選民思想の真相とは…ユダヤ教の「最終目的」を考える
鶴見太郎
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博