AIとデジタル時代の経営論
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AIの活用は売上増加にも直結する
AIとデジタル時代の経営論(4)AIと人間の仕事
一條和生(一橋大学名誉教授/IMD教授)
一橋大学大学院国際企業戦略研究科研究科長・教授の一條和生氏が、AIが人間の仕事に与える影響について解説する。2011年、IBMのワトソンがジョパディ!で人間に勝って以来、第3次AIブームが始まった。非ルーティンの仕事もやがてはAIが担うようになるだろう。最近では、トップライングロースにもAIが有効だと分かってきた。(2017年7月24日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「AIとデジタル時代のリーダーシップ」より、全9話中第4話)
時間:14分12秒
収録日:2017年7月24日
追加日:2017年10月28日
≪全文≫

●ゲームの世界ではAIが人間を超えた


 AIについては、皆さんも問題関心が高く、いろいろな形で勉強されていると思います。第3次AIブームが始まったのは2011年ですので、本当にこの6年間の出来事です。このグラフは、AI関係のスタートアップに対する投資額と、契約の成立件数の推移を示しています。2011年から、どちらも急激に伸びています。

 それでは、2011年に何があったのでしょうか。アメリカのクイズ番組ジョパディ!で、ついにIBMのAI、ワトソンが、人間に勝ったのです。ジョパディ!は、月曜から金曜の夜7時から放送されている30分番組で、アメリカですごく人気があります。賞金を賭けたクイズ大会で、賞金額が1万ドルを超えると相当なものです。この写真の両側にいる歴代最強チャンピオンは、2人とも賞金額が2万ドルを超えています。つまり、相当優秀です。しかし、2人ともやられたという顔をしています。真ん中のワトソンに負けてしまったのです。このように2011年は、IBMのワトソンが、ついに人間のチャンピオンに勝った年です。

 これをきっかけに、AIブームが始まりました。これはアルファ碁とも関係しています。チェスでは、すでに1998年に、当時のAIが人間に勝っています。ゲームの中で一番難しいのは、碁です。将棋はその次ぐらいの難しさです。アルファ碁が人間に勝ったということは、ゲームの世界で、ほぼAIが人間を超えたということを意味します。

 先日、経営者のジャッジメントというテーマでセミナーを主催し、ゲストスピーカーの1人に、脳科学者の茂木健一郎氏をお呼びしました。彼が強調していたのは、シンギュラリティはすでに起きている、ということでした。アルファ碁が人間に勝ったということは、すでにAIは人間をあらゆる分野で超えていると考えた方がいい、ということです。藤井聡太四段もAIには勝てません。チェスでは完全に勝負がついています。


●IBMはジョパディ!で勝つAI制作の事業化に3年を費やした


 とはいえ、まさかジョパディ!でAIが人間に勝つなんて当初は考えていなかったようですが、実はこの件に関しては、裏話があります。ジョパディ!の企画は、IBMが用意周到に仕掛けたものだったのです。2011年は、IBMの創業100周年です。100周年に向けた企画として、ワトソン事業部が始動しました。

 私はIBMが好きなのですが、それは、失敗したことのない研究開発者は駄目だ...

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