AIとデジタル時代の経営論
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
創業者が記した設立趣意書の原点を見失っていたソニー
AIとデジタル時代の経営論(8)ソニーの原点
一條和生(一橋大学名誉教授/IMD教授)
一橋大学大学院国際企業戦略研究科研究科長・教授の一條和生氏は、働き方改革について、職務規定の明確化の重要性を認めつつも、暗黙知の要素への評価の重要性を強調する。ソニーは、創業者の一人、井深大氏が東京通信工業設立趣意書に書いた、人間としての強い思いを取り戻し、原点回帰することで、最近復調の兆しを見せている。(2017年7月24日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「AIとデジタル時代のリーダーシップ」より、全9話中第8話)
時間:10分22秒
収録日:2017年7月24日
追加日:2017年11月1日
≪全文≫

●職務規定を明確にしても、暗黙知の要素は残り続ける


 日本企業は、暗黙知の重要性を本当によく理解しています。しかし、それを実践するための改革が危機にひんしているのではないか、とも感じています。私は2017年から日経HRコミッティで議長を務めており、最近では、日本のリーディングカンパニーの人事担当役員と議論する機会も増えました。皆さんが口をそろえていうのは、2017年の最重要アジェンダは、「ワークスタイル改革」、つまり働き方改革だということです。

 ワークスタイル改革のキーワードはJDです。つまり、「job description(職務規定の明確化)」です。もちろんこれは非常に重要です。日本企業は一般的に職務規定があいまいな場合が多く、誰の仕事かがはっきりとしていないことも多々あります。したがって、ワークスタイル改革によって職務規定を明確にし、例えば在宅勤務や午後3時に帰ってもいいようにする必要があります。

 しかし、注意しないといけないのは、どんなに職務規定を明確にしても、暗黙知の要素は残り続けるということです。これを絶対に忘れてはいけません。そして、この暗黙知の要素をちゃんと評価しなければ、日本企業の強みはなくなっていくでしょう。

 野球に例えれば、日本の企業は欧米の企業と比べて、三遊間のヒットを打たれることが多くはありません。つまり、職務と職務の間を抜けていくようなことが少なく、誰かが必ずといっていいほどそれを拾い上げてくれるということです。欧米であれば、これは私の仕事ではないと押し付けあって、職務と職務の間を簡単に抜けていきます。特に、夏休みは大変です。担当者が夏休みを3週間取れば、3週間その担当業務が停止してしまうのです。

 しかし日本の場合、そうした職務と職務の間を拾ってくれる人が必ずいます。これはやはり日本企業の良さでしょう。職務規定を明確化したとしても、暗黙知の部分は残るのだから、そうしたことをこなしてくれる人をやはり正当に評価していかなければなりません。


●仕事の喜びもまた、日本企業の強みだった


 もう一つ、気を付けるべきことは、仕事の喜びを再認識するということです。今、日本ではとにかく「会社に長くいるな、早く帰れ」の大合唱です。当然、育児や介護、あるいは自分の文化的な生活のために、時間を使うことは構いません。しかし、それと同時に決して忘れてはいけないの...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
企業改革の核心は何か(1)組織の危機をいかに克服するか
V字回復のためには社員に「個人の痛み」を迫る覚悟を持て
三枝匡
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔

人気の講義ランキングTOP10
これから必要な人材と人材教育とは?(3)無謬性とジョブローテーション
もうゼネラリストを育てる人事制度では時代に対応できない
柳川範之
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
賴住光子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
プロジェクトマネジメントの基本(9)リーダーシップとモチベーション
マズローの欲求階層説を発展させたアルダーファの理論とは
大塚有希子
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(3)「現場の熱」こそ多角化の要点
新規事業を成功させるリーダーとは…上意下達はなぜダメか
水野道訓
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司