おもしろき『法華経』の世界
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
千手千眼観音のサポートとは?菩薩たちのビッグバンとは?
おもしろき『法華経』の世界(3)止観と菩薩による救済
鎌田東二(京都大学名誉教授)
最澄の瞑想図は非常に美しいが、彼は何を瞑想していたのだろうか。答えは無、心の動きを止めるのが「止観」だからだ。また、『法華経』全巻の構成を見ると、弥勒、観音、普賢の三菩薩が衆生を導き救済する中心的存在であることが分かる。さらに、大地から無数に湧いてくる「菩薩たちのビッグバン」の描写も見逃せない。(全10話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分52秒
収録日:2025年1月27日
追加日:2025年5月18日
カテゴリー:
≪全文≫

●最澄の瞑想「法華止観」はいかに行われたか


鎌田 さて、これが有名な最澄さんの肖像画です。この肖像画の最澄さんは非常に美しい。最澄さんの持っているキャラクターが非常に静まって、しーんと瞑想している。

―― お顔が本当にそういう顔ですね。

鎌田 そうですね。澄明な、美しい姿形、瞑想の形です。そして、禅の法界定印を結びながら瞑想をしている。これは宇宙を瞑想する最澄です。

 ではどういう宇宙を構想していたのか。実際に最澄の時代には、今現在国宝になっている根本中堂というものはなかったはずで、「一乗止観院」という、法華一乗を修行する場があった。「法華止観」ですね。「止観」は、禅の「ヴィパッサナー瞑想」のようなものにつながっていくものです。(延暦寺の前身は)摩訶止観、大止観、小止観という止観の修行道場、つまり瞑想道場だということになっております。

―― 止観というのはどう理解すればよろしいですか。

鎌田 それは瞑想ですね。

―― 瞑想を意味するということですか。

鎌田 三昧と止観。三昧のほうは「サマータ」といって集中していくことです。例えば密教でいえば、「阿字観瞑想」は阿字をイメージして、その中にグッと投入していく集中瞑想です。ヴィパッサナーは内観で、自分の意識や心の動きというものを内観していく。だから、観を止める止観というのは、要するに無の状態になって止まることにはなるわけですけれど、なかなかそこには至らず、意識は動き回ります。

 心の状態や感情の状態として、お腹が空いたら「お腹空いた」みたいなものが出てきます。そういうものをくまなく瞑想するのが止観ということになる。今風にいうと、止観はマインドフルネスということになります。ヴィパッサナー瞑想は、初期仏教、あるいは今のミャンマー、スリランカ、タイなどのテーラワーダ仏教で行われる瞑想法になります。


●千手千眼観音という理想の姿と「真如」


鎌田 そこで、『法華経』に戻ります。私は『法華経』を壮大なスペースオペラないしスペースファンタジーだと考えています。この地球あるいは宇宙そのものを非常にダイナミックに捉えて、そこにおける救済が展開されている。その布教の中で、菩薩という存在が非常に重要な役割を果たしていく。

 菩薩の代表選手は千手千眼観音の姿になって、日本では例...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
原因と結果の迷宮~因果関係と哲学(1)因果関係とは何なのか
原因と結果の迷宮―因果関係と哲学
一ノ瀬正樹
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司

人気の講義ランキングTOP10
石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿(1)政治家・石原慎太郎の源流と核の問題
石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿…対比で見えてくる現代的課題
片山杜秀
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(3)「古くて新しい問題」と雇用の未来
AIは「失業」を増やすか減らすか…創造的破壊か?資本化効果か?
宮本弘曉
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将
編集部ラジオ2026(15)昭和の名将・樋口季一郎
【10min解説】ユダヤ人救出、奇跡の撤退…名将・樋口季一郎
テンミニッツ・アカデミー編集部
ウェルビーイングを高めるDE&I(2)人と組織を取り巻く環境変化:後編
なぜ日本の幸福度は低すぎるのか?会社任せで失われる自律性
青島未佳
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(3)小林秀雄の批評
デビュー論文「様々なる意匠」小林秀雄の試みと直観の真意
浜崎洋介
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏