おもしろき『法華経』の世界
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
イエスも法華経のアバター?「全世界救済」の具体像を示す
おもしろき『法華経』の世界(7)真の救済に向かう
鎌田東二(京都大学名誉教授)
『法華経』の原題は「サッダルマ・プンダリーカ・スートラ」といい「白蓮の正しい教え」を表す。想像を超えた長い年月、無数のアバターを通して『法華経』が目指すのは真の救済である。それゆえキリスト教のイエスも「久遠実成の本仏」のアバターであるというのが、鎌田氏の曲げられない持論となっている。(全10話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分23秒
収録日:2025年1月27日
追加日:2025年7月13日
カテゴリー:
≪全文≫

●『法華経』の原題と翻訳


―― 最初のほうで先生もおっしゃった「山川草木悉有仏性」という言葉があります。「全てのものが悉く仏性を持っている」という話ですが、(『法華経』は)ある意味で、それと表裏をなすようなことになるわけですか。

鎌田 そうですね。それを究極の形にすると、「あらゆるものが仏である。全てが仏だ」ということになります。「山川草木…」というのは梅原猛さんによる言い方(言い換え)で、本覚思想(天台宗を中心として広まった「人間は生まれながらに仏性を備えている」という思想)として伝統的に「草木国土悉皆成仏」という言い方で示されてきました。それ自体とつながってきます。

 『法華経』は「サッダルマ・プンダリーカ・スートラ」といって、宮沢賢治(の作品)にはこういう言葉がよく出てきます。「サッダルマ・プンダリーカ・スートラ」というのは、「正しい法の、白蓮の」。白い蓮は泥の中で咲くでしょう。だから、苦悩の中で咲く。つまり、苦しみの中に悟り、智慧がある。正しい、不思議な、優れた「サッダルマ(法、真理)・プンダリーカ(清浄な白い蓮花)・スートラ(縦糸、経典)」。

 (『法華経』という)翻訳は鳩摩羅什によるもので、全8巻28品の岩波文庫の元になっているのは鳩摩羅什訳本です。私が持っているのは、それを元にした口語訳も付いて、サンスクリットの口語訳も付けてくれた岩波文庫で、坂本幸男・岩本裕訳註です。これを私は今回使っていて、先ほども読みました。最近では植木雅俊さんの訳が出ています。

●1劫=ブラフマンの1日=43億2000万年


鎌田 『法華経』の中では、長い長い時間のことを「カルパ(劫)」という言い方で表します。『法華経』の「化城喩品」、岩波文庫でいえば中巻の第3「化城喩品」第7に、三千大千世界の全てを粉にして、一粒ずつ千の国土に捨てていく(話があります)。捨て始めて捨て終わるまでにどれだけの時間がかかるか。全ての土地を粉にして、その一粒を「一劫」として数えたとき、(これは時間のたとえですが)三千世界という長い長い時間の一劫がブラフマンの1日といわれる。

 インド人が数学の天才といわれるのは、0(ゼロ)(を発見したこと)も含めての話ですが、(彼らが考えた)ブラフマンの1日は、43億2000万年です。だか...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(序)『ばけばけ』と『神国日本』
ラフカディオ・ハーンの遺著『神国日本』の深い意義とは?
賴住光子
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
「なぜ人は部屋を片付けられないか」を行動分析学で考える
島宗理
ムハンマドを知る(1)その役割と人物像
ムハンマドは神の啓示を受けた預言者で共同体の最高指導者
山内昌之
「アフォーダンス」心理学~環境に意味がある(1)アフォーダンスとは何か-1
トップアスリートが語る究極の「アフォーダンス」とは
佐々木正人
ユダヤ神話の基本を知る
ユダヤ教の神話…天地創造、モーセの十戒、死後の世界
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
「同盟の真髄」と日米関係の行方(7)トランプ氏の評価とその実像
こりごり?アイ・ラブ・トランプ?…トランプ陣営の実状は
杉山晋輔
『貞観政要』を読む(2)著作に登場する人物たち
房玄齢・杜如晦・魏徴・王珪―太宗の四人の優れた側近
田口佳史
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(7)日本の倫理こそ未来の理想
他人の幸福実現に喜びを見出す日本の道徳こそ未来の理想だ
賴住光子
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(2)米中対立の現在地
全ては経済?…米中対立の現状とリスクが高まる台湾危機
佐橋亮