おもしろき『法華経』の世界
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「菩薩」とは?…神道の「むすひ」「修理固成」との共通性
おもしろき『法華経』の世界(8)菩薩思想と『法華経』
鎌田東二(京都大学名誉教授)
菩薩はサンスクリットでは「ボーディサットヴァ」、教学的には仏になる一歩手前まできた修行者を指す。悟りの手前で踏みとどまり、悟りの智慧と慈悲で人々を救済するという覚悟を持った存在だが、菩薩にはいろいろな姿形があるという。しかも、その姿は、神道の「むすひ」や「修理固成」の考え方とも、大いに共通するのだという。今回は「菩薩思想」について語り合う。(全10話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分54秒
収録日:2025年1月27日
追加日:2025年7月20日
カテゴリー:
≪全文≫

●菩薩の意味合いと三乗思想


―― (今回は)補足的にお伺いしたいことがあります。

鎌田 どうぞ。

―― 先生のおっしゃる「菩薩」というのは、端的にいうと「誰かを救う行為」のようなことになるのですか。どういうふうに捉えたらよろしいですか。

鎌田 菩薩は、サンスクリットでいうと「bodhisattva(ボーディサットヴァ:菩薩)」です。菩提の菩、薩(サットヴァ)というのは、それを持って(維持して)いる人とか、そういう存在(パーソン)というような意味合いです。

 そうすると、菩薩というのは、教学的には、仏になる一歩手前まできた修行者のある段階です。

 三乗思想がありまして、仏に近づく段階として、いわゆるテーラワーダ・初期仏教の世界、小乗仏教といわれているものには、声聞(乗)、縁覚(乗)というのがあって、その次の第三番目に菩薩(乗)が来る。

 声聞、縁覚というのは、声聞は仏の教えを聞いて悟りに近づき、悟りの世界に入っていこうとする人。縁覚というのは縁によって(悟りに近づくもので)、『勝鬘経』や『維摩経』のようなものがそういう経典の一つになるわけです。

 それに対して菩薩というのは、もう、もちろん自分は悟りに至っているのだけれど──ここがちょっと面白いフックというか屈折しているところで──悟りを得ているのだけれど一歩手前であえて止まる。そして人々を、その悟りの智慧と慈悲で救済するという覚悟を持った存在。これが菩薩だと一般に位置づけられています。


●菩薩思想と『法華経』の演劇的表現


鎌田 しかしながら(仏教には)いろいろな菩薩の姿形が出てきて、お釈迦さまも前身は菩薩であった(といわれる)。そういう菩薩の一つに「法蔵菩薩」があって、法蔵菩薩の願がやがて阿弥陀如来になったなどといいます。阿弥陀如来も一つの願いを立てたとされている。その願いを実現して、全ての者を救済するのが四十八願というわけです。

 このように、菩薩思想は阿弥陀経典であるとか、いろいろなところへ展開していくわけですが、『法華経』はその一番最初の先陣を切って、菩薩思想の展開をスペクタクルにやったということになります。だから、菩薩経典ないし菩薩曼陀羅といえる。菩薩の世界がブワーッと現れる。それ(菩薩)が「救済の具体的な方便の現れ」ということになります。

―― よく言われるように法華経は、いろいろな方便の物語...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
道徳と多様性~道徳のメカニズム(1)既存の道徳の問題点
多様性の時代に必要な道徳とは…科学的アプローチで考える
鄭雄一
学びとは何か、教養とは何か
教養の基本は「世界史」と「古典」
本村凌二
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典

人気の講義ランキングTOP10
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
インフレの行方…歴史から将来を予測する(5)トルコ化の可能性と円安の要因
年率80%を超えるインフレ!…日本は「トルコ化」するか?
養田功一郎
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(4)ベントの死闘とプロの責任感
「これからベントをやる。メンバーを決める!」…決死の現場
門田隆将
編集部ラジオ2026(3)高市政権の行方と「明治維新」
高市政権の今後は「明治維新」の歴史から見えてくる!?
テンミニッツ・アカデミー編集部
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
こどもと学ぶ戦争と平和(4)人間はなぜ戦争をするのか
人間はなぜ戦争をするのか?2つの要因から問う平和の条件
小原雅博
おもしろき『法華経』の世界(9)「如来寿量品」と三身論
仏の寿命は無量で久遠に実在する…「如来寿量品」の神秘
鎌田東二
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
徳と仏教の人生論(6)物事の本質を見極めるために
「境地は裏切らない」とは?禅の体験から見えてきたもの
田口佳史