おもしろき『法華経』の世界
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「未来応化=どんな未来も大丈夫」…ブレない臨機応変の力
おもしろき『法華経』の世界(10)未来への智慧と希望
鎌田東二(京都大学名誉教授)
『法華経』は「誰でも仏になれる」と説き、その信憑性を高めるために仏の言葉を信心せよと「信受仏語」で促し、「如来秘密」や「神通力」を語っていく。特徴的なのは、どのような未来が来ても対応する方便があると励ます「未来応化」だ。あらゆる問題解決に、「本当にブレない臨機応変」の発想が役立つ。つまり、「久遠実成の本仏」からエネルギーを供給された「臨機応変」だからこそ、あらゆることに対応できるのである。『法華経』は、そのような「ブレない臨機応変」によって、「何が来ても心配ないですよ。大丈夫ですよ」とすべての人々を励ましつづけるのである。(全10話中第10話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分33秒
収録日:2025年1月27日
追加日:2025年8月3日
カテゴリー:
≪全文≫

●「何百億、何千億という世界で衆生を導いて、救済してきたのだよ」


鎌田 そして、「この如来の言葉を皆さん信じなさい」というのです。仏の言葉(仏語)を信受して、たてまつる。

 例えば、ここには「弥勒をはじめとして、合掌して仏に(申しあげた)」とあります。「弥勒が先頭を切って、お釈迦さまの真実の教えを説いてください」ということで、みんな「信受仏語(仏の言葉を信受しろよ)」と言っている。そしてここで、「如来秘密」や「神通力」ということが語られるわけです。

 「如来秘密」といえば密教の重要言語です。暗号世界に入っていく際のパスワードです。「三密の世界」に入っていくための前身というかオープニングが、『法華経』の中にあるわけです。

 そして、弥勒菩薩が先頭を切り、一切の声聞、辟支仏、無漏智(知恵を漏らさぬ最も叡智の高い者)たちに対して、仏がいろいろな教えを説いて、臨機応変に説いていく。

 その臨機応変の中で、「余処の百千万億那由他阿僧祇の国に於ても衆生を導利」する。つまり、私は悟って──というか、この存在世界にずっと常住して──「我常に此の娑婆世界に在って説法教化」をやってきた。なので、いろいろなところ、「百千万億那由他阿僧祇国」といえるような数(=何百億、何千億という数)の世界や国々があり、そういう諸国の中で衆生を導いて、救済してきたのだよ、と。

 そして、あるところでは、中間に於て「燃燈仏」として現れて、説いた。「皆方便を以て分別」した。方便を以てみんなに臨機応変に、分かりやすいように説いてきたということです。

 そして、仏眼を以て、人々の条件やレベルを見る。「この人はこういう傾向性を持っていて、こういう知的な関心やレベルがあるので、それに応じて臨機応変に説いていきますよ」というのが「諸根利鈍を観る」です。

 「又種々の方便を以て微妙の法を説いて、能(よ)く衆生をして歓喜の心を発(おこ)させた」。みんなをハッピーにした。「この教えを聞いて、本当に救われました。希望を持てました。私たちはこんなに救済に近いところにいて、その道筋がよく理解できました」。こういうようなことをずっと臨機応変に方便として説いてきたのだということが、繰り返さ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
道徳と多様性~道徳のメカニズム(1)既存の道徳の問題点
多様性の時代に必要な道徳とは…科学的アプローチで考える
鄭雄一
学びとは何か、教養とは何か
教養の基本は「世界史」と「古典」
本村凌二
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
「なぜ人は部屋を片付けられないか」を行動分析学で考える
島宗理
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
「50歳からの勉強法」を学ぶ(1)大人の学びの心得三箇条
大人の学び・3つの心得=自由、世間が教科書、孤独を覚悟
童門冬二
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝

人気の講義ランキングTOP10
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
これから必要な人材と人材教育とは?(3)無謬性とジョブローテーション
もうゼネラリストを育てる人事制度では時代に対応できない
柳川範之
プロジェクトマネジメントの基本(10)大脳生理学によるモチベーション理論
論理的?計画的?社交的?冒険的?利き脳による4タイプ
大塚有希子
おもしろき『法華経』の世界(10)未来への智慧と希望
「未来応化=どんな未来も大丈夫」…ブレない臨機応変の力
鎌田東二
平和の追求~哲学者たちの構想(6)EU批判とアメリカの現状
理想を具現化した国連やEUへの批判がなぜ高まっているのか
川出良枝
逆境に対峙する哲学(9)先人の知恵という友
本居宣長も白隠もハイデガーも友となる――大切なのは?
津崎良典
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(5)AIに記号接地は可能か
人間とAIの本質的な違いは?記号接地から迫る理解の本質
今井むつみ
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
賴住光子
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二