ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論
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「人材の組み合わせ」こそ「尖った才能」を輝かせる必勝法
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(2)“変わり者”の生かし方と後継者選び
水野道訓(元ソニー・ミュージックエンタテインメント代表取締役CEO)
名だたる経営者には必ず名パートナーがいる。社長になった途端にもっとも悩むのは後継者選びだといわれるが、大事なのは名パートナー、つまり組み合わせだと水野氏は言う。「次を誰にするか」ではなく、例えばCEO(最高経営責任者)、CFO(最高財務責任者)、CAO(最高総務責任者)などとの組み合わせで考える必要があるということだ。また、いわゆる“変わり者”がヒットを生み出してきた歴史を持つソニー・ミュージックだが、その生かし方にも組み合わせの妙がある。具体的にはどのような状況だったのか。その実際について伺った。(全5話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:10分26秒
収録日:2025年5月8日
追加日:2026年2月9日
≪全文≫

●「飛び抜けた人材」が輝くのは「支える人間」がいるからこそ


―― (次に)“変わり者”の生かし方という面で具体的にお聞きしたいのですが、ソニーには伝説的に“変わり者”みたいな方がいますね。例えばプレステ(プレイステーション)をお作りになった久夛良木(健)さんとか。ある意味では、異能の人材だったと思います。(そうした)異能の人材が生きていける組織とは、どういう組織なのですか。

水野 まさにプロデューサー型というか、それをちゃんと理解して支える人間がいるから生きていけるところが大きいですね。

―― やはり支えが大きいのですか。

水野 そうですね。

―― 具体的にはどういうことだったのですか。

水野 久夛良木さんは本当にエレキの中でもある種“変わり者”で、人の言うことを聞かないで、とにかく技術で突っ走る。「この開発したゲーム機をもっとすごいマシンにするんだ!」みたいな形で、プレステをどんどん進めていった。そこに丸山茂雄さんがいた。マーケッターというのでしょうか、丸山さんはそういう部分で、久夛良木さんをある種、支えてあげることができた。

 それから財務面では、徳中(暉久)さんという財務のトップがいた。こういう方がいることによって、久夛良木さんはある種、自由な発想で動き、それをグローバルに展開していけた。

 丸山さんはある日ソニーのトップのほうから、「よくあなたは久夛良木さんとうまくパートナーをやっていけるね」と言われた。そうしたら、丸山さんは何と答えたかというと、「いやあ、あの人は音楽のアーティストから比べたら、たいしたもんじゃないよ。音楽アーティストといったら、もっとわがままでひどいもんだぞ」と言ったそうです。

 丸山さんのことをみんな「猛獣使い」と言って、「素晴らしい猛獣使いだね」と例えていました。こういった組み合わせが、いろんなところでありました。それがソニーだし、ソニー・ミュージックもそういう部分でヒットが生まれているところは大きいのです。

―― 今日はCBS・ソニーをつくったお話から伺いましたが、そういう“猛獣”たちとたくさん付き合う部署といいますか、会社を持っていた強みが生きてくるわけですね。

水野 (それは)あるように思います。

―― そういう人の飛び抜けた才能なり、発想力のすごさ。それをどう生かすかが本当に(会社として鍵になるところでしょうか)...

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