AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
教養がおろそかな人の限界…「教養は頭の中に、情報は頭の外に」
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(4)情報と教養の違い
橋爪大三郎(社会学者/東京工業大学名誉教授/大学院大学至善館教授)

5.頭はみんなで共有できる…情報を頭の中に入れないと発見できない
2026年6月18日配信予定
6.自分にしかできない自分の世界を味わうために、他の人とつながる
2026年6月19日配信予定
7.AI時代こそAIでなく「生きた学び」で自分の人生を膨らませる
2026年6月19日配信予定
講義一覧を見る▼
「教養は頭の中にある、情報は頭の外にある」――そう語る橋爪氏。リーダーは緊急事態など重大な局面において即決することが求められるため、頭の中にある教養はそのための血肉となった知識のことを指す。対して、情報は頭の外にあるため、都度調べる対象にすぎない。現代の情報社会では基礎知識の習得や自ら結論を出す訓練がおろそかになり、生成AIに依存する精神構造が加速している。今こそ情報に振り回されないためのリベラルアーツの真価が問われている。(全7話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:5分53秒
収録日:2026年1月16日
追加日:2026年6月12日
≪全文≫

●教養は頭の中にある。情報は頭の外にある


橋爪 生成AIでどうなるかですね。

―― そうですね。ですから、そうなってくると当然、社会的な要請というものが随分と変わってくると思いますし、冒頭いろいろとAIのお話をいただく中で、本当に価値判断とか、決断とか、新しいものを生み出す力とか、そういうものが求められてくる。いわゆる「何かうまくまとめましたよ」とか「判例を全部分かっていますよ」とか、そういうものがだんだんいらなくなって、むしろそれを上回るものが必要になってくるとなると、なんとなくリベラルアーツに求められるものも変わってくると思うのですが、そこはいかがですか。

橋爪 インターネットや情報がそういう社会になってだいぶ変わってきて、特に生成AIができてから随分変わったけれど、情報と教養の違い(はというと)、教養は頭の中にある。情報は頭の外にある。だから、情報は調べる。教養は調べない。大事なことは頭の中に入っている。

 リーダーは、緊急事態など重大な局面では即決しなければいけないということもある。軍隊は緊急事態の連続です。文書を書いている暇もないわけだから、部下が報告をしたら、それを聞いてすぐ口頭で命令する。記録はその日の晩にゆっくり書く。こういう習慣があります。

 (ですから、重大な局面では)即決です。即決するというのは、結構複雑な状況で特殊な前提が出てきて(いるから)、選択肢をいくつか自分で考えるわけです。そのとき、最善のものを決めないといけないけれど、一体どうやっているか、本人も説明できないはずです。

 リーダーはそのためにいる。けれど、他の人に代わってもらうことができないから、そうすると、いろいろなデータを全て(集めて)事前に勉強して、頭の中にしまっておかないといけない。

 それから、いろんな思考実験をして、「こういう場合はこう」「ああいう場合はああ」というように予行演習をしておかないといけない。本人はそんな意識がないかもしれないけれど、そういうことを始終考えてないといけない。こういう人がリーダーです。軍人がそうです。ビジネスリーダーがそうです。政治家がそうです。思想家とか、知識人とか、世の中をリードしていこうという決意と覚悟と能力のある人はみんなそうです。

 こういう人が一握りいて、社会の残りの人はそういう人がどういうことを言うかよく聞いて、理...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
原因と結果の迷宮~因果関係と哲学(1)因果関係とは何なのか
原因と結果の迷宮―因果関係と哲学
一ノ瀬正樹
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
老年が惨めと思われる4つの理由とは…キケロの論駁に学べ
本村凌二
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(1)「断絶」を乗り越えるという主題
小林秀雄と吉本隆明の営為とプラグマティズムの格率
浜崎洋介
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ

人気の講義ランキングTOP10
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(3)リベラルアーツの伝統と教育
身につけるべきリベラルアーツとは?…欧米の伝統と変遷から探る
橋爪大三郎
飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」
肥満、認知症、低栄養…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条
堀江重郎
ウェルビーイングを高めるDE&I(6)エクイティ実現と特権性の理解:前編
改札、公衆トイレ、在宅勤務…構造的格差とエクイティの意味
青島未佳
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
江戸とローマ~日本酒とワイン(1)醸造技術の進歩と輸送手段の変遷
ワインと日本酒と人生の悦び…酒文化を謳歌した江戸とローマ
本村凌二
20世紀前半の日中関係~この歴史から何を学ぶか(1)
極東の小国が旧超大国・清に挑戦した日清戦争
島田晴雄
編集部ラジオ2026(17)「過剰な良かれ」の落とし穴
【10minで考える】巨人・阿部監督の辞任と「過剰な良かれ」
テンミニッツ・アカデミー編集部
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏