昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
武装解除の「厳命」を守るか、戦って在留邦人の「生命」を守るか
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(2)在留邦人の生命財産を保護する決断
昭和20年(1945年)8月15日、玉音放送により外地の日本軍には武装解除命令が下った。しかし、駐蒙軍司令官の根本博中将はこれを拒絶し、ソ連軍との戦いを継続した。ソ連軍や中国共産党軍に対して武装解除すれば、内蒙古に在住する4万人の邦人の生命・財産が脅かされると熟知していたからである。上官からの度重なる停戦命令に対し、根本は「国民の生命を守る」というもう一つの軍人の本義を優先し、命がけの抗命を決断した。組織の命令に従った関東軍とは対照的に、パニックを防ぎながら最後まで邦人を守り抜こうとした、根本の覚悟と戦後の激闘について語る。(全4話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:14分42秒
収録日:2019年7月30日
追加日:2026年7月24日
≪全文≫

●武装解除なし…8月15日玉音放送終了後も戦い続けた根本中将


門田 戦争が終わりましたということで、昭和20年(1945年)の8月15日に玉音放送を彼ら駐蒙軍の司令官、幕僚たちは放送局で聴いているわけです。「玉音放送があるから集合せよ」ということです。張家口放送局だから、一般のラジオとは違います。そこで受けて、そのまま聴いていたのですが、そのときに「堪え難きを堪え 忍び難きを忍び」ということで敗戦の玉音放送がありました。

 玉音放送は、内地にいる人間、軍にとっては戦争に負けましたということですけれど、外地の人間、軍にとっては戦争に負けたので武力行使を停止せよということです。すなわち武装解除命令なのです。関東軍(総司令官)の山田乙三大将はその武装解除命令を受けて、武装解除をするわけじゃないですか。(でも)、その隣にいた駐蒙軍(司令官)の根本中将は、それを拒否するわけです。

 そこで、彼の電報(を見ると、そ)の中には、なぜ武装解除しないか、(その内容)が入っているのです。「この人は軍人の本義を常に胸に持っていて、これを貫いた人だ」ということがその電報で分かったのです。それをご紹介します。

 その電報の前に、まず彼がやったことを話します。8月15日、玉音放送を聴いて、みんな泣いていますよね。幕僚たちがみんな泣いているのですけれど、その後、全内蒙古に向かって張家口放送局から放送させるから準備をしておけということで、彼はまずそこでパニックを防ぐことをやっているのです。それは何かというと、「日本は戦争に敗れ、降伏いたしました。皆さんは今後のことを心配していると思います。しかし、わが部下将兵たちは、みな健在であります」という放送をするわけです。これはパニックを防がないと(いけないからです)。戦争に負けたということになると、周りは外地で、日本ではありませんから(何が起こるか分からないからです)。

―― しかも、満洲の厳しい状況はもちろん伝わってきているわけですよね。

門田 もちろん。そうすると、日本(国内)だと泣けるわけです、「戦争に負けた」と。けれど、外地にいる、内蒙古に在住している4万人の人は泣くわけにはいきません。自分の身が危険にさらされるということですから。

 そうすると、「わが部下将兵たちは、みな健在であります。わが軍は、私の命令がないかぎり、勝手に武器を捨てたり、...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
オスマン帝国とは何か~その繁栄と共生の秘密~
オスマン帝国とは何か?その繁栄の理由
山内昌之
本当のことがわかる昭和史《5》満洲事変と石原莞爾の蹉跌(1)なぜ満洲が重要だったのか
放っておけば朝鮮はロシア領になりかねなかった
渡部昇一
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(2)「出挙」と国司の仕事
地元の有力者の力を借りるために大伴家持が詠んだ歌とは?…今も奈良時代も変わらない中央官僚と地元有力者の関係
上野誠
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉