古代ギリシアの英雄叙事詩『オデュッセイア』を軸に、神話の物語の「構造」からその秘密や世界共通の要素を解き明かす本講義。「『オデュッセイア』入門」の著者である松村一男氏と沖田瑞穂氏が、『オデュッセイア』の物語構造を解き明かし、さらにインド神話など多くの物語との比較を通じて、現代に通じる人間性を解説する。『オデュッセイア』の20年にわたる冒険と家族の再会を描いたドラマは、その後の多くの物語の原型になるほどの普遍性を備えている。さらに、インド神話との比較を通じ、インド・ヨーロッパ語族に共通する神話の深層構造や独自性にも迫る。(全9話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密
『オデュッセイア』の魅力と面白さの深い秘密を探る…波乱万丈の神話の「構造」とは?
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
3.知恵の英雄・オデュッセウスの冒険譚…過酷な苦難と試練、誘惑と罠に満ちた10年の全貌
2026年9月4日配信予定
4.オデュッセイアは「物語の構造」が秀逸…人の心を魅了し、記憶に残していくための仕掛け
2026年9月10日配信予定
4.オデュッセイアは「物語の構造」が秀逸…人の心を魅了し、記憶に残していくための仕掛け
2026年9月10日配信予定
5.驚くほど似ているギリシアの『オデュッセイア』とインドの『マハーバーラタ』…その謎に迫る
2026年9月11日配信予定
6.タイトル未定
2026年9月17日配信予定
7.タイトル未定
2026年9月18日配信予定
8.タイトル未定
2026年9月24日配信予定
9.タイトル未定
2026年9月25日配信予定
時間:14分05秒
収録日:2026年7月27日
追加日:2026年9月3日
収録日:2026年7月27日
追加日:2026年9月3日
≪全文≫
●『オデュッセイア』の「物語の構造」を読み解くおもしろさ
―― 皆さん、こんにちは。本日は松村一男先生と沖田瑞穂先生に「『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密」というテーマでお話をいただきたいと思います。両先生、どうぞよろしくお願いいたします。
松村 よろしくお願いします。
沖田 よろしくお願いします。
―― 今回こちらの「『オデュッセイア』入門」(河出新書)というご本ですが、松村一男先生が(全般的に)お書きになっていて、沖田先生が(そのうちの)一章をお書きいただいているという形です。(タイトルは)「『オデュッセイア』入門」ということで、松村先生、この「入門」というところに込めた意味というか、このご本はどういうイメージでお作りになった本ですか。
松村 そうですね。非常に古い時代の出来事を書いている本ですけれど、現代にも通じるような感情、喜び、悲しみ、苦しみ、そういったものがこの作品には込められているということが、今の日本の読者の方々へ分かりやすく届けることができないだろうかと考えて、あえて「入門」とさせていただいたわけです。
そのための工夫を、私のほうでどんなふうにやってみたかということを今日、説明できればと思っています。
―― ありがとうございます。
松村 よろしくお願いします。
―― 沖田先生はまさにこの本の中で、今、松村先生がおっしゃった「現代にどうつながるか」という部分で、現代の日本のいわゆるライトノベルという若い方々がお読みになる本の構造にも実はかなり影響しているんじゃないかという文章をお書きになっていましたけれど、その点についていかがですか。
沖田 はい。松村先生は『オデュッセイア』がいろいろな地域、いろいろな時代に影響を与えて、いろいろな作品に結実しているということを書かれていらっしゃいますけれど、私が書いたところは、おそらく、すごく意識的に『オデュッセイア』の真似をしたというよりは、(それを)無意識的に物語を紡ぐと、結果としてオデュッセイア的になっていたということで、そうした源泉を求められるような物語の類似について考えてみたというものです。
―― 今、意識的なのか、無意識的なのかというお話がございましたけれど、この本を私も拝読していておもしろいなと思ったのは、松村先生、この本は神話をある意味では「構造的に読み解いていく」本ですよ...
●『オデュッセイア』の「物語の構造」を読み解くおもしろさ
―― 皆さん、こんにちは。本日は松村一男先生と沖田瑞穂先生に「『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密」というテーマでお話をいただきたいと思います。両先生、どうぞよろしくお願いいたします。
松村 よろしくお願いします。
沖田 よろしくお願いします。
―― 今回こちらの「『オデュッセイア』入門」(河出新書)というご本ですが、松村一男先生が(全般的に)お書きになっていて、沖田先生が(そのうちの)一章をお書きいただいているという形です。(タイトルは)「『オデュッセイア』入門」ということで、松村先生、この「入門」というところに込めた意味というか、このご本はどういうイメージでお作りになった本ですか。
松村 そうですね。非常に古い時代の出来事を書いている本ですけれど、現代にも通じるような感情、喜び、悲しみ、苦しみ、そういったものがこの作品には込められているということが、今の日本の読者の方々へ分かりやすく届けることができないだろうかと考えて、あえて「入門」とさせていただいたわけです。
そのための工夫を、私のほうでどんなふうにやってみたかということを今日、説明できればと思っています。
―― ありがとうございます。
松村 よろしくお願いします。
―― 沖田先生はまさにこの本の中で、今、松村先生がおっしゃった「現代にどうつながるか」という部分で、現代の日本のいわゆるライトノベルという若い方々がお読みになる本の構造にも実はかなり影響しているんじゃないかという文章をお書きになっていましたけれど、その点についていかがですか。
沖田 はい。松村先生は『オデュッセイア』がいろいろな地域、いろいろな時代に影響を与えて、いろいろな作品に結実しているということを書かれていらっしゃいますけれど、私が書いたところは、おそらく、すごく意識的に『オデュッセイア』の真似をしたというよりは、(それを)無意識的に物語を紡ぐと、結果としてオデュッセイア的になっていたということで、そうした源泉を求められるような物語の類似について考えてみたというものです。
―― 今、意識的なのか、無意識的なのかというお話がございましたけれど、この本を私も拝読していておもしろいなと思ったのは、松村先生、この本は神話をある意味では「構造的に読み解いていく」本ですよ...