死と宗教~教養としての「死の講義」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
橋爪大三郎(社会学者/東京工業大学名誉教授/大学院大学至善館教授)
日本人の死生観を築いていった仏教の宗派は浄土宗・浄土真宗、禅宗、法華宗・日蓮宗であるという。念仏による極楽往生、坐禅がそのまま覚りであること、在家にいながらの菩薩修行は、いずれも死の恐怖に向かう日本人の姿勢をサポートし、死に別れする運命に立ち向かう術を教えてきたのである。(全7話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:16分14秒
収録日:2022年3月3日
追加日:2022年5月9日
≪全文≫

●末法の時代に阿弥陀仏を紹介した釈迦仏


橋爪 いろいろな宗派によっていろいろな考え方がありますが、生き死にに関していえば、おおむね人間は輪廻すると考えます。その中で、日本人にとって大事な宗派は三つあります。浄土宗・浄土真宗がひとつ。禅宗がひとつ。それから、法華宗・日蓮宗がひとつです。

 これらはどれも仏教の原則にのっとるのですが、仏教の原則にプラスアルファのことをいっています。そのため、結論としては生き死にの考え方が違ってくるのです。最後にここを説明したいと思います。

―― わかりました。よろしくお願いいたします。

橋爪 まず浄土宗です。日本では浄土真宗のほうが大きくなりましたが、同じ系統のものです。

 根拠になるのは、「浄土三部経」という3つの経典で、どれも釈迦仏が極楽浄土の阿弥陀仏を紹介しています。末法の世に入り、これまでのように勉強したり修行したりしていたのでは、そもそも覚るのが無理になってくるのです。

―― ここでは、仏教の「末法」という考え方が面白いですね。これは、だんだん誰も覚れなくなるということなのですね。

橋爪 釈迦仏の教えが伝言ゲームのように、伝わっているうちに劣化するため、世の中がだんだん悪くなっていく。右肩下がりに悪くなっていくのです。それが末法です。末法になると、お釈迦様の教えをまともに修行して覚ることが難しくなる。今年(2022年)始まった「大学入学共通テスト」が難しいと大騒ぎになっていますが、あれが毎年難しくなって、そのうち誰も合格できなくなるような話です。

―― それはなかなかシビアな話ですね。

橋爪 そうすると、誰もが考えるのか、どこか裏口入学で試験を受けずに合格できる大学はないかと。

―― そうですね。もともとの方法では、誰も入れなくなるぐらい難しくなってしまうということですね。

橋爪 釈迦仏は、そういうこともお見通しなわけです。そこで、「末法になったら、私の友だちの阿弥陀君がいるから、彼のところに行きなさい。阿弥陀君は昔、修行の時代に願をかけて、「困った衆生の人びとをみんな救おう」と約束した。そうして極楽浄土を開き、「末法の時代なら、みんな極楽浄土にいらっしゃい」と招いてくれているのです。極楽浄土に着きさえすれば、誰でもビザなしで入国できるのです。


●念仏で極楽に行けることを証明した法然


橋爪 では、どうす...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
伊能忠敬に学ぶ「第二の人生」の生き方(1)少年時代
伊能忠敬に学ぶ、人生を高めて充実させる「工夫と覚悟」
童門冬二

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(3)孤食リスクと加齢に伴うホルモン変化
「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
西洋文明の起源から見るグローバル化(1)グローバル化
古典を学び、教養ある人間を目指すことがヨーロッパの理想
納富信留
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高