「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
日本は助かる運命にあった…わが国は現場力で保っている国
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(6)日本人の現場力のすごさ
門田隆将(作家/ジャーナリスト)
「日本は助かる運命にあった」――あらためて日本は現場力で保っている国だと実感したと門田氏は語る。吉田昌郎氏が門田氏の取材を受けるにあたって強調したのは、「現場のみんなが頑張ったんだ。それを書いてくれ」ということだった。現場のプラントエンジニアたちは「吉田さんでなければ無理だった」と語り、吉田氏は「あのとき当直長が伊沢でなかったら…」と語った。そのような想いの積み重ねの中で、未曾有の危機から日本と日本人を救うためのギリギリの闘いが行われたのだ。このような人々の行動を、われわれは折にふれ、幾度も思い返す必要があるのではないだろうか。(全6話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:8分41秒
収録日:2025年11月19日
追加日:2026年3月10日
≪全文≫

●「現場のみんなが頑張ったんだ。それを書いてくれ」


―― 冒頭にも話していただいたように、イデオロギーではなく、そのときに現場にいた人が何を考えて、どう行動したのか。また、その後のエピソードとして周りの方々、ご家族へのメールやご家族からのメールなども入ってきますが、それらを含めて、実際われわれと同一地平上というと叱られますけれど、どれほど現場のプロであっても、そこにいらっしゃった方々は普通の…。

門田 普通の日本人。普通の日本人だけれど、その場に立ったときは自分の職責や使命に忠実であろうとする点は、やはり日本人特有のものだと思います。ありがたいですね。

 そこまでの結束力を生んだ吉田さんは2013年に食道がんで亡くなりました。私との長時間取材を二度も受けてくれて、「三度目は吉田家のことを聞きますからね」と約束していました。事故のことはあらかた聞き終わったので、次は吉田家のことを聞くと約束をして別れたのです。そのまま、7月下旬に日本橋で倒れてしまい、それは叶わなかったのです。

 すごい人でしたね。皆さん、これ(写真)が吉田昌郎さんです。これは2度目に会ったときです。一度目は私の事務所でしたが、二度目は吉田さんのご自宅の近くの赤羽のホテルに出てきてもらい、そこに部屋を取って話を聞きました。そのときの模様ですが、抗がん剤で頭髪が一度全部抜けてしまい、その後、少し髪の毛が生えかかっているぐらいのときです。これが私が最後に会った吉田さんです。

 さらに、ここには中操の写真があります。このほとんど真っ暗な中で、この人たち(は踏みとどまった)。1号機・2号機の中央制御室はこういう感じです。

―― 取材を受けるにあたって吉田さんが強調されたのは、「現場のみんなが頑張ったんだ。それを書いてくれ」ということでしたね。

門田 吉田氏がつくづく言っていたのは、やっぱり現場の強さです。「すごいぞ」ということを言っていました。吉田氏もびっくりしたのではないですか。「ここまでやってくれる」ということに。部下たちは「吉田さんとなら一緒に死ねる」でやっているわけだから、当然やるのですが、私が取材しながら思ったのは、「日本は助かる運命にあったのだ」ということです。それは何かというと、プラントエンジニアたちが「吉田さんでなければ無理だった」と言ったこと。それは初回に話しましたね。吉田氏は、「...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
『昭和16年夏の敗戦』と『昭和23年冬の暗号』
『昭和16年夏の敗戦』『昭和23年冬の暗号』が映す未来とは
猪瀬直樹
明智光秀の真実(1)謎につつまれた前半生
明智光秀は「主殺しの悪人」か?…諸説入り乱れる人物像の謎
小和田哲男
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀

人気の講義ランキングTOP10
老子の神髄(1)「絶対自由の境地」を求めて
『老子』が求める「絶対自由の境地」とは?…そして創造長寿へ
田口佳史
中国春秋戦国時代と始皇帝(4)秦と周辺国の激烈な戦い
秦と周辺国の激戦の真実に迫る…各国の兵力と秦の戦略とは?
鶴間和幸
編集部ラジオ2026(23)上半期人気ランキングBest30
【編集部ラジオ】令和8年上半期人気ランキングBest30
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(4)5人の皇帝と現代中国
特筆すべき5人の皇帝…中国史を知らなければ現代中国もわからない
宮脇淳子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
日本の財政の真実を検証する(4)日本の台所事情と財政の本義
「1秒間に41万円?」…この数字はいったい何を意味するか?
宮本弘曉
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
福田恆存とオルテガ、ロレンス~現代と幸福(4)福田恆存とは誰か?
「一匹と九十九匹と」…政治と文学の関係を問うた福田恆存
浜崎洋介