「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り
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日本は助かる運命にあった…わが国は現場力で保っている国
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(6)日本人の現場力のすごさ
門田隆将(作家/ジャーナリスト)
「日本は助かる運命にあった」――あらためて日本は現場力で保っている国だと実感したと門田氏は語る。吉田昌郎氏が門田氏の取材を受けるにあたって強調したのは、「現場のみんなが頑張ったんだ。それを書いてくれ」ということだった。現場のプラントエンジニアたちは「吉田さんでなければ無理だった」と語り、吉田氏は「あのとき当直長が伊沢でなかったら…」と語った。そのような想いの積み重ねの中で、未曾有の危機から日本と日本人を救うためのギリギリの闘いが行われたのだ。このような人々の行動を、われわれは折にふれ、幾度も思い返す必要があるのではないだろうか。(全6話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:8分41秒
収録日:2025年11月19日
追加日:2026年3月10日
≪全文≫

●「現場のみんなが頑張ったんだ。それを書いてくれ」


―― 冒頭にも話していただいたように、イデオロギーではなく、そのときに現場にいた人が何を考えて、どう行動したのか。また、その後のエピソードとして周りの方々、ご家族へのメールやご家族からのメールなども入ってきますが、それらを含めて、実際われわれと同一地平上というと叱られますけれど、どれほど現場のプロであっても、そこにいらっしゃった方々は普通の…。

門田 普通の日本人。普通の日本人だけれど、その場に立ったときは自分の職責や使命に忠実であろうとする点は、やはり日本人特有のものだと思います。ありがたいですね。

 そこまでの結束力を生んだ吉田さんは2013年に食道がんで亡くなりました。私との長時間取材を二度も受けてくれて、「三度目は吉田家のことを聞きますからね」と約束していました。事故のことはあらかた聞き終わったので、次は吉田家のことを聞くと約束をして別れたのです。そのまま、7月下旬に日本橋で倒れてしまい、それは叶わなかったのです。

 すごい人でしたね。皆さん、これ(写真)が吉田昌郎さんです。これは2度目に会ったときです。一度目は私の事務所でしたが、二度目は吉田さんのご自宅の近くの赤羽のホテルに出てきてもらい、そこに部屋を取って話を聞きました。そのときの模様ですが、抗がん剤で頭髪が一度全部抜けてしまい、その後、少し髪の毛が生えかかっているぐらいのときです。これが私が最後に会った吉田さんです。

 さらに、ここには中操の写真があります。このほとんど真っ暗な中で、この人たち(は踏みとどまった)。1号機・2号機の中央制御室はこういう感じです。

―― 取材を受けるにあたって吉田さんが強調されたのは、「現場のみんなが頑張ったんだ。それを書いてくれ」ということでしたね。

門田 吉田氏がつくづく言っていたのは、やっぱり現場の強さです。「すごいぞ」ということを言っていました。吉田氏もびっくりしたのではないですか。「ここまでやってくれる」ということに。部下たちは「吉田さんとなら一緒に死ねる」でやっているわけだから、当然やるのですが、私が取材しながら思ったのは、「日本は助かる運命にあったのだ」ということです。それは何かというと、プラントエンジニアたちが「吉田さんでなければ無理だった」と言ったこと。それは初回に話しましたね。吉田氏は、「...

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