AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来
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認知症患者がAIと一緒に懐メロを歌う…AI活用の可能性ある分野
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(7)AI時代にどう備えるか
宮本弘曉(一橋大学経済研究所教授)
人生100年時代を迎え、働く期間も長期化する現代において、AIとの共生は避けて通れない課題である。個人には、AIの回答を正しく評価・判断するためのリテラシーや教養、そして生涯にわたるスキルアップが求められる。また、企業においては、AIを単なるコスト削減のための「まあまあの技術」として導入するのではなく、イノベーション創出や組織構造の改革といった「攻めの戦略」として活用すべきである。つまり、AI活用の可能性は、日本の社会課題を解決する大きな鍵を握っているということだ。(全8話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:11分46秒
収録日:2026年3月11日
追加日:2026年6月8日
≪全文≫

●AI時代に個人がどう備えるか――AIを使いこなす能力が求められる


―― 今度はいよいよ「AIにどう備えるか」というところです。ここはまず個人ということですね。

宮本 そうですね。個人、企業、政府という3つのレベルで考えていきたいと思います。まずは、個人がAI時代にどのように備えるのかという部分です。ここで一つ大事なキーワードがあります。それは「長寿化」です。

 私たちの人生は長くなっています。「女の子の2人に1人、男の子の4人に1人」、これは何のことでしょうか。答えを申し上げると、過去数年間に日本で生まれた女の子と男の子が、90歳まで生きる割合です。女の子の2人に1人、男の子の4人に1人が、90歳まで生きる時代になっているのです。

 私たちは、まさに「人生100年時代」に生きています。人生が長くなるということは、働く時間も長くなりますし、その間にいろいろな変化に直面する機会も増えるということです。そこにAIという新技術が出てきた。そうすると、AIを使うか使わないかという選択肢は、もはやなくなってきています。AIと一緒に仕事をし、AIと一緒に生活をしていく。そういう時代になっていると思います。

 よく「どうしたらAIを使えますか」という話があります。ただ「使える、使えない」ではなくて、むしろ「どう使っているのか」「AIが出してきたものにどう反応するのか」が大変重要です。というのは、AIは知的領域に入り込んできていますので、AIが出してきた答えに対して、それがよいものなのか、悪いものなのかを、私たち自身がしっかりと判断しなければいけないからです。

 そうなってくると、AIを使いこなす能力が人間の側に求められることになります。AIの進歩は速いですから、それに合わせて私たち人間自身も常にスキルアップし、アップデートしていく必要があります。そのためには訓練や教育をしっかり行っていくことが、個人としては最大の課題になってくるのではないかと思います。

―― その場合の教育は、例えば18歳までの教育とは違って、生涯にわたる教育ということですね。

宮本 そうですね、生涯にわたって教育して、人的資本を高めていくということだと思います。

―― 教育ないしは自発的にどう学んでいくかとか、どう知的に高めていくかということですね。

宮本 そうですね。それは何か特定の分...

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