AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
AIは「まあまあの技術」?…タスクベース・アプローチでわかること
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(4)注目されるタスクベース・アプローチ
宮本弘曉(一橋大学経済研究所教授)
AIによる雇用への影響を考える上で世界の潮流となっているのが「タスクベース・アプローチ」である。これは2024年ノーベル経済学賞を受賞したダロン・アセモグル教授が提唱する考え方で、仕事を「最小単位のタスク」に分解して捉える手法だ。アセモグル教授は、現在のAIを人間が行ってきた作業を単に代替しているだけの「まあまあの技術(ソーソーテクノロジー)」であると指摘し、既存の仕事を奪うだけに留まる現状に懸念を示している。いったいどういうことなのか。AIの進化によって生まれる2つの可能性とともに解説する。(全8話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:5分56秒
収録日:2026年3月11日
追加日:2026年5月26日
≪全文≫

●ダロン・アセモグル教授が提唱する「タスクベース・アプローチ」


―― 続きまして、「タスクベース・アプローチ」というところになりますけれども。

宮本 AIやロボットといった新技術が雇用に影響をどのように及ぼすのかを考える際に、「タスクベース・アプローチで考えましょう」というのが今、世界の潮流になっています。

 これは、マサチューセッツ工科大学のダロン・アセモグル教授らが提唱されている考え方です。アセモグル教授は2024年にノーベル経済学賞を受賞されました。ここでいうタスクとは「仕事の最小単位」のことです。

 例えば、私の職業は大学教授、あるいは大学教員ですが、この仕事の中にもいろいろな「タスク」があります。

―― 例えば、「学生さんを教える」とか。

宮本 そうです。例えば「研究をする」のもタスクですし、今おっしゃったように「学生の指導をする」のもタスクになります。ではその「学生の指導をする」というタスクを考えたとき、授業をやりますよね。そうすると、授業をやる前に授業の準備をします。そして、実際に授業をやります。学生さんからの質問に答えます。試験問題を作って、試験を実施して、採点して、成績をつける。これは全部タスクなのです。

―― それぞれが、もう…。

宮本 それぞれがタスクなのです。

―― 「学生指導」ではなくて。

宮本 そのように細かい最小単位に分けて考えるわけです。

―― なるほど、そこまで切るということですね。

宮本 はい。そうすると、AIが代替できるところと代替できない部分がみえてきます。例えば、AIは「スライドを作る」といったタスクを行うことが可能です。(AIに)試験問題を作らせていいかどうかはちょっと分かりませんけれど。

―― そうですね。

宮本 「作れ」と指示すれば、作ってくれると思います。成績をつけるとか、そういったものを整理するとか、AIが得意とする作業は代替できるわけです。

 ただ、オフィスアワー(学生が質問や相談のために、大学教員の研究室を訪ねることができる時間)を代わってもらえるのか、個別指導ができるのかというと、AIがまだ得意ではない分野もあるわけです。つまり、AIには得意な分野もあれば、得意じゃない分野もある。得意な分野は当然代替が進んでいくだろうし、AIが苦手なところは人間がまだまだ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
躍進するインドIT産業の可能性と課題(1)下請けから世界の中心へ
インドが世界有数のIT産業の拠点へと発展した理由
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
宮本弘曉
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
老子の神髄(5)玄人と小国寡民
したたかで超越的な知恵…見えないものを見ようとする知的好奇心
田口佳史
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(2)三大要素は「皇帝」「都市」「漢字」
中国皇帝の実像は都市ネットワークを握る「最大の資本家」だった
宮脇淳子
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
ウェルビーイングを高めるDE&I(6)エクイティ実現と特権性の理解:前編
改札、公衆トイレ、在宅勤務…構造的格差とエクイティの意味
青島未佳
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
メンタルヘルスの現在地とこれから(2)職場のコミュニケーション
昭和の常識は非常識…令和の世ではマイクロアグレッション
斎藤環