日本の財政の真実を検証する
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金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
宮本弘曉(一橋大学経済研究所教授)
内閣府の分析によると、向こう10年間は債務残高が減少するものの、2035年以降は借金が急増する見込みだ。消費税を段階的に引き上げて財政を安定させる代替案もあるが、これは金利の動向に大きく左右される。現在、日本は巨額の債務を抱えているため、金利が1パーセント上昇するだけで利払い費が一気に膨れ上がる。その結果、債務残高の比率は急激に悪化してしまう。第3話では、金利上昇が財政の持続可能性に与える深刻な影響について、シミュレーションデータを用いて解説する。(2026年4月24日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全7話中第3話)
※司会:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:7分07秒
収録日:2026年4月25日
追加日:2026年7月8日
≪全文≫

●向こう10年は安心だが、その後は?


宮本 内閣府の分析は向こう10年程度を対象にしています。これは、20年後、30年後となると経済状況の不確実性が大きくなるためです。向こう10年の数字を見ていこうというのが通常です。

 ただ2年前に、内閣府も2060年までの分析を行いました。そこでも、同じようなグラフが出ています。つまり、向こう10年間ほど日本の財政は安心かもしれないけれど、その後、借金が増える可能性がある。これが、今の日本の状況なのです。

 このグラフは、一部の政治家にとっては使いやすいものです。「向こう10年間は債務残高が減ってきますから、日本の財政は大丈夫です」と言えるからです。ところが、もう少し先まで分析を見ると、2035年以降は借金が増えてくる。本来であれば、そこを考慮して今から対策を練らないといけません。

 このように、財政の問題には専門的な知識が必要になります。このままだと中長期的には日本財政は安心できるものではない、というのが多くの経済学者の見方です。それは、こうした分析に基づいているのです。

―― 次の表がその背景の(表ですね)。

宮本 そうですね。(前回)金利のお話をさせていただきましたが、こちらは、金利と利払い費の関係を見たグラフです。ピンク色の線は日本の金利です。かつて金利が非常に高かった時期がありました。1970年代の話です。近年はゼロ金利政策、マイナス金利政策ということで、金利はずっと低い状態が続いてきました。

 一方で、借金は毎年毎年積み重なっていますので、国債残高は上がってきています。今、金利が低い状態でも、すでに結構な金額の利払い費が発生しています。ですから、今後、金利が上がると、利払い費が一気に増えることになる。これが、この国の状況なのです。

 もう一度、国・地方の債務残高対GDP比のグラフに戻りたいと思います。このグラフには青い点線が出ています。これは何かというと、債務比率が増えないようにするためにはどうすればいいのかという、一つの案を示したものです。

 2025年~2026年ぐらいから2060年ぐらいまでの間、毎年少しずつでも財政状況を改善していったらどうなるか。それを示しているのが、この青い点線です。国が少しずつ財政を良くしようと努力すると、債務残高の比率は下がっていき、やがて160パーセントぐ...

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