プーチンのロシア―その思想と戦略―
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
プーチンとオリガルヒの不可思議な関係とロシア社会の闇
第2話へ進む
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
山添博史(防衛研究所 地域研究部 米欧ロシア研究室長)
2022年2月に始まったロシア軍のウクライナ侵攻は、世界に大きな衝撃を与えている。なぜ戦争は起こってしまったのか。そもそもプーチン大統領の政治とはどういったものなのか。侵攻の背景にあるプーチンの思想的特徴を中心に、旧ソ連圏・アメリカ・中国に対する戦略など、「プーチン政治」について解説する。(全6話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分20秒
収録日:2022年3月4日
追加日:2022年3月30日
カテゴリー:
≪全文≫

●プーチン政権の基本モデルは「強いリーダー」の存在


―― 皆さま、こんにちは。本日は山添博史先生に、プーチン政治についてお話しいただきたいと思っています。山添先生、どうぞよろしくお願いします。

山添 よろしくお願いします。

―― プーチン政治というと、まさに2022年2月に、ウクライナ侵攻がありました。その前からかなり強硬的な政治を行ってきたということで、実際にどういう政治モデルなのかをまずはお聞きしたいと思います。そもそもウラジーミル・プーチンが出てきた背景にはどういうことがあるのでしょうか。

山添 プーチンは(ロシア連邦)初代のボリス・エリツィン大統領の時、その最後の頃に首相に任命されて、そのあと大統領になりました。プーチンが着任してからの2000年以降の物語は、1990年代はとても混乱していたのですが、それがプーチンの下で安定してきて、経済も社会も発展するようになってきたというものです。そういったこと(混乱・苦難)を克服する強いリーダーがプーチン政権の基本的なモデルです。

―― よくいわれることとして、彼はもともとKGB出身だったという話があります。それについてはどうお考えですか。そのあたりも、そういうことにつながるという理解でいいですか。

山添 確かにKGB出身ではあって、そこの教育を受けています。そして、1970~80年代当時のKGB手法も今、現れているところはあるのですが、彼はKGBのトップになってからロシア連邦の政権のほうに行ったわけではありません。途中、サンクトペテルブルクの市役所で、市長の下で経済政策を担当したりするなど、いくつかの経歴を経てモスクワに入っているので、KGBだけでは分からないと思います。

―― なるほど。そのあたりもまた後ほど詳しくお伺いしたいと思います。

●ツァーリとしての役割を担って「叱る人」プーチン


―― ここでは簡単な概要をお話しいただきたいと思いますが、プーチンの統治の特徴とはどういうものでしょうか。

山添 上の絵で示している通り、昔ながらのロシア帝国の皇帝であるツァーリのモデルを考えると分かりやすいと思います。庶民の上に、庶民を搾取して悪いことをし、言うことを聞かない、あるいは意味の分からない貴族や役人がいます。しかし、庶民はツァーリの慈悲がこれ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
国際地域研究へのいざない(1)地域研究の意味とイスラエル研究
なぜ経済学で軽視されてきた「地域研究」が最高の学問なのか
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
編集部ラジオ2026(10)ユダヤ人特集~鶴見太郎先生
【10min解説】鶴見太郎先生《教養としてのユダヤ人の歴史》
テンミニッツ・アカデミー編集部
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
ユダヤ神話の基本を知る
ユダヤ教の神話…天地創造、モーセの十戒、死後の世界
鎌田東二
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(7)日本の倫理こそ未来の理想
他人の幸福実現に喜びを見出す日本の道徳こそ未来の理想だ
賴住光子
イスラエルの歴史、民族の離散と迫害(1)前編
古代イスラエルの歴史…メサイア信仰とユダヤ人の離散
島田晴雄