「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り
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なぜ部下たちは「吉田昌郎所長となら死ねる」と語ったのか
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(2)吉田昌郎所長の機転と決断
門田隆将(作家/ジャーナリスト)
門田氏によるインタビューに臨んで、部下たちは口々に「吉田さんとなら一緒に死ねる」と語った。なぜ彼らは、吉田昌郎所長にそこまで深い信頼を寄せられたのだろうか。事故現場では一瞬の判断が運命を分ける。福島原発事故では、その場その場での現場の判断が日本という国の運命を握っていた。知識も経験も備わり、豪放磊落で徹頭徹尾現場側に立って行動する吉田所長のもと、一丸となった現場のプロたちの機転と迅速な行動の積み重ねにより、日本は瀬戸際で救われたのだ。(全6話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:12分26秒
収録日:2025年11月19日
追加日:2026年2月24日
≪全文≫

●常に現場の人たちの側に立って行動した吉田昌郎氏


―― ぜひ、あのときの(原子炉建屋への)突入のシーンなどについて、もう少し改めてお聞きしたいと思います。1人、忘れてはいけないのが、最初にも名前を出した吉田昌郎氏で、この方のリーダーシップですね。

門田 吉田氏について私が驚いたのは、プラントエンジニアたちが「吉田さんとなら一緒に死ねる」という意味のことを次々に言ったことなのです。(取材時に)2人一緒に会った人もいますが、ほとんどは単独で取材していますから、1対1の中で、言葉は違うものの、意味は「吉田さんとなら一緒に死ねる」。すごい言葉です。

 私も『週刊新潮』のデスクとして多くの人を使ってきたし、ともに仕事をしてきましたが、私と一緒に死ねると言ってくれる人は1人もいないことを、ここで断言したいと思います(笑)。

―― 普通はいないですよね。

門田 ええ、すごいですよ。あれはすごいなと思った。

 吉田氏はあまり酒が強いほうではなかった。それで1年と2~3カ月がかりでやっと会えることになり、彼がうちの事務所を訪ねてきてくれました。そのとき、「門田さん、あんたすごいな。見舞いに来た俺の幼なじみや仲間がみんな、『門田さんに会ってくれ。俺の顔を立てて会ってくれ』と言って、あなたの本を置いていったよ」と言うのです。

 (当時の彼は)食道がんで寝ているだけだからすることがなく、仕方がないから本を読んでくれたらしい。それで、「会いとうなったわ」ということでした。それはそうでしょう。私は毅然と生きた日本人像を書いていて、「今度は吉田さんを描きたい」と言っているわけですから。(彼は)そんな豪快な人物で、会いにきてくれたわけです。そのとき、「こんなに率直な人はいない」と思いました。

 「(自分は)知り得ることは全部話すけれど、時系列を間違えているかもしれない」と。要するに、(当時は)寝ておらず、仮眠しか取っていない。朝の光も夜の月明かりもない、まったくの閉鎖空間にいたので、体がリセットされていないから、「これが何日目」ということが分からない。だから「自分は、門田さんが聞かれている現象については詳しく話すけれど、それがこの現象の前だったのか後だったのか、何日だったのかが分からない。勘違いもあるから、部下たちに詳しく取材して、間違いのないようにしてくれ」と言うのです。

 ざっ...

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