イラン戦争と終末論
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私利私欲で世界を振り回す二人の指導者とイラン戦争の実態
イラン戦争と終末論(3)トランプ・ネタニヤフの終末論的共生
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
イラン戦争は単なる戦略的利益の衝突ではなく、宗教的「終末論」が政治と密接に融合した異例の事態である。汚職裁判等の法的危機に直面するネタニヤフ氏は、今回の戦争を「アマレク」との宗教戦と位置づけることで極右勢力との連立維持と裁判延期を図っている。一方、トランプ氏もまた自身の支持基盤である福音派を動員し、民主的説明責任を回避するために終末論的物語を利用する。最終話は「終末論的共生」と題して、個人的都合のために宗教を演出装置とする両指導者の実態を暴く。(全3話中第3話)
時間:9分32秒
収録日:2026年3月16日
追加日:2026年5月12日
カテゴリー:
≪全文≫

●ネタニヤフ首相の法的危機とメシア的盾


 ネタニヤフ首相に関しましていいますと、「法的危機とメシア的盾」というものがあります。実はネタニヤフ首相は、開戦当時は汚職裁判、潜水艦調達疑惑、そして側近の不正行為の調査等で2026年3月18日に重要な裁判を控えており、そこで証言する予定だったのですが、イラン戦争になってしまったのでこれが延期してしまったということです。

 開戦直後に、ネタニヤフ首相はイランのことを「アマレク」と名指しをしました。つまり、妥協を排除して戦争を神聖な義務として構築し、世俗的スタイルから脱却して、攻撃後の会見を「シェマ・イスラエル」で開始。つまり完全にネタニヤフ首相は宗教戦争の指導者として台頭したのです。

 イスラエル国内の事情について見ますと、連立を依存しなければいけない(ということで)、ネタニヤフ政権の維持にはベン・グビル氏とスモトリッチ氏の連携は不可欠。彼らの代償としては、神殿の丘の主権変更、併合運動、そして神政政治的法改革で、彼らなしに生き残れない。つまり、このような狂信的なメシア主義者を連立として迎えているので、ネタニヤフ首相としても、こういう宗教戦争を行わなければいけないという事情があるのです。

 選挙は2026年6月から7月に前倒しの見込みがあります。連立議員が詐欺・背任を無罪化する法案を推進していますが、ネタニヤフ首相が直面する罪状と同じなのです。つまり、ネタニヤフ首相も火だるまなのですけれど、連立の議員も火だるま状態です。トランプ氏は、イスラエル大統領にネタニヤフ氏の恩赦を公式要請。このように、非常にアメリカ政治と密接に絡む汚職が今、起こっているのです。


●トランプとネタニヤフの終末論的共生


 トランプ氏とネタニヤフ氏の終末論的共生、つまり(彼らは)お互いに助け合う関係に実はあり、これをつなぐのが実は終末論というややこしい要素なのです。

 まずトランプ氏から見てみますと、彼はどういうものを提供するかというと、アメリカの軍事力、外交的保護、そして恩赦の要請で、こういう大統領の権限を提供するということです。(次に)何をトランプ氏は受け取るかといいますと、終末論的正当性、福音主義基盤の動員、そして「文明論的十字軍」の物語です。(次に)...

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