1分チャージ! 新・エクササイズ理論
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
たった1分で効果を上げる新運動理論と攻めのダイエット
1分チャージ! 新・エクササイズ理論
健康と医療
堀江重郎(順天堂大学医学部・大学院医学研究科 教授)
血圧が高い人はずっと薬を飲み続けなければいけない。運動は健康のために、週2回程度筋トレをすると良い。食後、お腹が落ち着いてきたら運動するのが効果的。こうした従来の常識は全て間違っている!? 順天堂大学大学院医学研究科教授・堀江重郎氏による、知らないと損をする新・エクササイズ理論。
時間:9分46秒
収録日:2015年2月18日
追加日:2015年5月28日
≪全文≫

●新たに検証されつつある運動の効果


 皆さん、こんにちは。順天堂大学の堀江重郎と申します。今日は、新しいエクササイズのお話、エクササイズ理論についてご紹介をしたいと思います。

 ジムあるいはランニングその他で、定期的に運動されている方が結構多いのではないかと思います。運動の効用、これは言うまでもなく、運動する方は長生きであると言われています。ですが、実はそれ以外にも、医学的な運動の効果が検証されてきています。

 例えば、運動の顕著な効果としましては、脳の神経細胞を新しくつくるということが示されています。脳の一つの領域である、記憶に関係する「海馬」の中の神経が、運動することによって再生しやすくなる。従来は、脳の神経は、一度出来ると二度と再生しないと言われていましたが、実はそうでもなくて、新しく出来てくるということが分かっています。


●運動で改善、予防が期待できる症状あれこれ


 また、運動することによって、特に狭心症や心筋梗塞、あるいは、脳梗塞を防ぐなど、血管の健康を保つということが分かってきています。加えて、運動することによって肥満を改善できる、あるいは、糖尿病の予防の効果もありますし、さらに筋肉が増すことによって糖尿病になりにくくなり、摂取したカロリーをより効果的に使うことができるということが言われています。

 同じような理由で、コレステロールが高い方、あるいは、血圧が高い方にも運動は効果的です。よく高血圧と診断されますと、「一生このお薬を飲まなければいけないんでしょうか?」と心配されるというようなお話があります。先生によっては、一度高血圧になると、長期間お薬を飲んでくださいという方が多いのですが、実はそれは誤りで、体重が減れば確実に血圧も下がります。このように、運動することで高血圧を改善する、あるいは、高いコレステロールの値を改善するということも証明されています。

 そして、最近分かってきて非常に重要なこととしては、運動することによってうつを予防できるということが挙げられます。この大きな理由の一つとしては、いわゆる男性ホルモンと呼ばれるテストステロンにあります。このホルモンは、実はうつに対して抵抗する力、あるいは、うつを起こすようなストレスに対して抵抗する力があるのですが、運動することによってこの男性ホルモンが高まるということが知られてい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
新しいアンチエイジングへの挑戦(1)患者と伴走する医者の存在
だべったら生存期間が倍に…ストレスマネジメントの重要性
堀江重郎
感染症予防・がん治療に使えるmRNAワクチン(1)mRNAとは何か
コロナだけでなく個別化医療の可能性を秘めたmRNAワクチン
内田智士
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
今どきの若者たちのからだ、心、社会(1)ライフヒストリーからみた思春期
なぜ思春期は大事なのか?コホート研究10年の成果に迫る
長谷川眞理子
認知症とは何か(1)疾患の種類と対応
多くの認知症の原因は「脳のゴミ」の蓄積
遠藤英俊
和食の深い秘密~なぜ身体に良いのか(1)和食の特徴と日本人
日本人は地球上最もベジタリアンだった?和食の7つの基本
小泉武夫

人気の講義ランキングTOP10
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
長谷川眞理子
未来を知るための宇宙開発の歴史(7)米ソとは異なる日本の宇宙開発
日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道
川口淳一郎
「集権と分権」から考える日本の核心(3)中央集権と六国史の時代の終焉
天平期の天然痘で国民の3割が死亡?…大仏と崩れる律令制
片山杜秀
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
モンゴル帝国の世界史(2)チンギス・ハーンのカリスマ性
自由な多民族をモンゴルに統一したチンギス・ハーンの魅力
宮脇淳子
DEIの重要性と企業経営(4)人口統計的DEIと女性活躍推進の効果
日本的雇用慣行の課題…女性比率を高めても業績向上は難しい
山本勲
睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(5)シフトワークと健康問題
発がんリスク、心身の不調…シフトワークの悪影響に迫る
西多昌規
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
知識創造戦略論~暗黙知から形式知へ(1)イノベーションと価値創造
価値創造において重要なのは未来から現在を見るという視点
遠山亮子
トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(3)これからの世界と底線思考の重要性
同盟国よもっと働け…急激に進んでいる「負担のシフト」
佐橋亮