●経営者自身の健康こそが、経営には最も重要だ
企業のメンタルヘルスについて、私がこんな風に失敗しないようにいろいろずっと考えてきたのですが、経営上、最も大事なことは何だと思いますか。皆さんが一番心配しなければいけないのは「経営者自身の健康」だと、私は最近考えるようになりました。
実は、このCT写真は私なのです。これは2年前に撮ったCT写真ですが、去年、私の右の肺に、肺がんが見つかったのです。2センチほどありました。これは、東京女子医大の永井(厚志)先生が見つけてくれて、「すぐに手術しなければ駄目だ」と言われたのです。
しかし先生には、「ちょっと待ってください」と言いました。がんと告知されて一番長生きする人というのはどんな人か。がんの告知を受けて手術を受けた後の患者さんの心的対応に、その後の治療の状態が大きく関与しているという研究があります。例えば、がんの術後状態が同じ場合、A「冷静に受け入れる」、B「がんであることを否認し怒る」、どちらの態度が長生きするか。実は、これはBの方なのですね。冷静に受け入れてはいけないということです。
そして、一番長生きする人というのは、絶望している人、冷静に受容する人、がんであることを否認する人、さらに闘争心を持つ人の中でいうと、一番最後の戦おうと思っていた人の寿命が長くなるということです。
これは「常識を疑う」ということです。これは、堀江重郎先生(順天堂大学医学部大学院医学研究科教授)からぜひ読むようにと勧められた『寄生虫なき病』という本です。ぜひ皆さん、これを読んでみてください。非常に面白い本です。今までの医学の常識を超えるようなことが書いてあります。これを読むと、「あ、普通の見方って駄目なんだな」と思います。
私もがんになったわけですから、私の遺伝子の中に異常がないかということが気になりました。アメリカの女優で、乳がんになりやすいということが分かって、乳房を取った人がいますね。遺伝子診断はイルミナという会社で行っています。現在、既知の遺伝子は大体1600項目で、そのゲノムの中から疾患が分かるのです。
実はこの検診を受けました。私のDNAはその会社に登録されて調べてみたら、異常はないのです。がんの遺伝子ではないのです。これは、私の終了書(検査結果)です。きちんと終えて、この中に遺伝子のチップか何...