うつ病対策と経営リスク
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うつ病の要因は「職場の人間関係」と「本人の資質」
うつ病対策と経営リスク(1)うつ病の要因と対策
渡部芳德(介護老人保健施設ひもろぎの園 創設者)
気分障害の患者は、ここ15年程度でケタが変わるくらい増え、しかも典型的なタイプとは異なる現代型うつ病も加わって多様化している。ひもろぎGROUP理事長・東邦大学薬学部客員教授の渡部芳德氏は、うつ病の質と量が変わっている時代だからこそ、従来とは異なる復職プログラムが必要だと訴える。(2015年10月15日開催 日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「企業でのうつ病休職者の社会復帰(リワークプログラムの実情)~ストレスチェック制度を有効活用した人材育成と企業経営~」より、全5話中1話目)
時間:11分48秒
収録日:2015年10月15日
追加日:2016年1月18日
≪全文≫

●気分障害の数が格段に増えている


 まず前半に、各企業でのうつに関する基礎的なことを勉強していただいて、後半に、ここにいらっしゃるそれぞれの企業経営者の皆さんに向けて(精神を病んでいるような人は1人もいないでしょうが)、どんなリスクが経営者にあるかというお話をしたいと思います。

 気分障害の数は非常に増えています。今、大体ここにあるものよりもう少し多いでしょうか。レセプトベースでいくと、100万人ぐらいが保険を使って治療を受けています。そしてこれは、どんどん増えています。例えば、私たちが医者になったころから比べると、もう倍以上になっています。

 これをビジネスの面でいうと、私が平成元年に医者になった時に、大体、精神科全体のお薬代というのは、年間700億円ぐらいだったのです。ところが、現在の市場はどのぐらいになっているかというと、年間9000億円になっています。9000億円というと10倍以上に広がっていて、「メガファーマ」といわれている大きな会社は、中枢神経のお薬をたくさんつくって、世の中に出してきているというのが現状です。もう1兆円近いお金を払って、皆さん薬を飲まれているのですね。他の医薬品薬効分類ではもっと高い薬もあるのですが、非常に多くのお金を使って、中枢神経系用薬がどんどん増えてきているということです。


●うつ病の原因は「職場の人間関係」と「本人の資質」


 心の病の原因として皆さん言うのは、第一に職場の人間関係です。上司が気に食わないとか、友達に問題があるだとか、人間関係が原因の7割です。第二が、本人の資質の問題です。能力がなかったり、コミュニケーションが取れなかったりというような方です。

 それから、業務遂行に伴うトラブルや困難があります。クレーム対応の部署というのは、うつになっている確率が非常に高いですね。トラブルや困難を伴うとうつになりやすい。

 それから家庭の問題も、やはりうつになる原因ですし、重すぎる仕事の責任や社会環境の変化、長時間労働、本人の成育歴、昇進・配置転換、パワハラという順番になっていますが、やはり職場の人間関係が一番多いのです。精神的に非常に弱くなっていて、ささいなことを言っただけでうつになってしまう人がいるのです。


●典型的うつ病の原因と対策


 「うつ病は励ましてはいけない」ということを聞いたことがあるか...

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