メンタルヘルスの現在地とこれから
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ワークライフバランスがストレス!?…仕事と家庭の両立は
メンタルヘルスの現在地とこれから(3)世代論とワークライフバランス
斎藤環(つくばダイアローグハウス院長/筑波大学名誉教授)
「日本の若者は世界で最も自己肯定感が低い」といわれているが、それはなぜか。バブル世代とバブル崩壊後に就職した就職氷河期世代の違いは、彼らが思春期・青年期を過ごした当時の社会が上向きなのか、凋落しているのかといったこととも関係している。さらに近年はワークライフバランスが叫ばれるなど、新たな社会圧がかかっていることもメンタルに影響しているのではないだろうか。今回は世代ごとのメンタルの違いと、育休制度なども進み始め、過渡期ともいえる現在の社会環境について解説する。(全6話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分06秒
収録日:2024年4月17日
追加日:2024年6月29日
≪全文≫

●バブル世代の楽観主義、就職氷河期世代の悲観主義


―― 前回は図らずも、昭和的な価値観、平成的な価値観、令和的な価値観ということで、世代論を話してしまいましたが、そうした世代論は、(メンタルの違いにも)やはり当てはまるものなのでしょうか。

斎藤 ある程度、当てはまると思います。私もそうですが、昭和生まれ、バブル期経験者というのは、非常に漠然とですが、思春期・青年期に社会が上向きに変化していくさまを見ています。その時に刷り込まれた印象があまりにも強力なので、今でも「社会は、放っておけばうまくいく、うまく回っていくもの」という楽観的な人が多い気がします。この楽観主義は、就職氷河期世代以降の若者には全く共有されていません。

 彼らは、まさに思春期・青年期を通じて社会が凋落していくさまを見てきているので、放っておけば社会がよくなっていくとは、到底思えない。楽観できないのです。自分が年金をもらえるかどうかも分からないし、とにかく社会は悪いほうに向かう。自分の人生も、放っておけばどんどん落ちていくという印象が強くて、非常に悲観主義的なところがあると思います。

 ですから、このギャップを意識して話さないと、全然分かってもらえていない感じ、共感できないという印象を持たれてしまう可能性が高いと思います。

―― 今いわれた「(経済的に)落ちていっている感じ」については、日本はそうですが、例えば中国が非常に伸びた時期もあれば、貧富の差が大きいという議論はあるものの、アメリカもずっと一貫して伸びてきている。そうすると、世界的に見た場合、日本の若者は悲観的かもしれないが、例えば海外で採用した人たちは非常に上昇志向で、「まだ、これからガンガン行けるぞ」というところがあるかもしれない。それを、いろいろな環境や社会の雰囲気を見て、判断していかなければいけないということですね。

斎藤 そうですね。いろいろな統計が示しているところですが、日本の若者は世界で最も自己肯定感が低いというのは、ずいぶん前からいわれていることです。これは、今申し上げた「社会の展望に楽観主義的になれない」ということが結びついていると思います。

 (一方、)今おっしゃった中国やアメリカ、(あるいは)私がかつていた大学の大学院にも中国人が半分ぐらいいましたが、みんな希望を持って頑張れるので、この違いは非常に大きい...

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