メンタルヘルスの現在地とこれから
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「1on1」の効果は?メンバーの不調を見逃さないためのケア
メンタルヘルスの現在地とこれから(4)3つの予防と4つのケア
経営ビジネス
斎藤環(精神科医/筑波大学名誉教授)
メンタルヘルスの領域において予防には3種類ある。一次予防、二次予防、三次予防という段階ごとの予防で、さらに職場でのケアには4種類あるのだが、実際に上司、あるいは同僚として職場のメンバーの不調やその兆候を見逃さないためにはどうすればいいのか。近年注目されている「1on1」も含め、それぞれについて詳しく解説を進めていく。(全6話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分29秒
収録日:2024年4月17日
追加日:2024年7月6日
≪全文≫

●メンタルヘルスの領域では、予防には3種類ある


―― 続きまして、ここまでは、どちらかというと環境的な部分で、どういうところに気をつけるかというお話をうかがってまいりました。今後は、実際に少しメンタルを痛めてしまった方が出た場合、あるいは自分が少し不調になってしまった場合にどうしていくかというところでお話をお伺いしたいと思います。

 まずは、予防の部分。環境というよりも自分としてはどうしていくか、あるいは自分が持っている職場をどうしていくかということですが、予防についてはどのように考えればよろしいでしょうか。

斎藤 メンタルヘルスの領域では、予防には3種類あるといわれています。


 表にお示ししているように、一次予防、二次予防、三次予防というものがあります。

 それぞれ説明しますと、一次予防というのは要するに病気にならないこと、感染症ですとワクチンですよね。あらかじめ健康づくりをするようなことで発症を防ぐ工夫をして、病気のもとを予防する。一般的に人がイメージしやすい予防だと思います。

 具体的に何をするかというと、ストレスチェックがそうです。それから「セルフケア」「ラインケア」というのも、後で説明しますが、予防の一種です。さらに、生活習慣の改善によってメンタルを病みにくくするということも大事になってくると思います。

 二次予防になりますと、これは(不調に)なりかけのときに早期発見・早期治療をするのが二次予防です。

―― まさになりかけというところですね。

斎藤 はい。これは事業場内の産業保健スタッフ、産業医などがケアをする。あるいは事業場外のクリニックや保健所といったところがケアをして、早め早めに手を打っていくことが二次予防に該当するといっていいと思います。

 三次予防というのは、発症した後、または回復した後です。その後のリハビリテーションや再発防止、社会復帰の機能を回復して、維持していこうという段階に該当します。

 具体的には今、発症して休んでいる人に対するフォローをする。それから、職場復帰を支援するプログラムを作る。さらに、主治医と連携して、例えば職場に復帰する際には最初は半日勤務から始め、段階的に増やしていくなどのプログラムを考えていくということがあります。

 また、管理職との関係性によるス...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
キャリア転換で人生を成功させる方法(1)2つの大きな潮流
なぜ40歳でキャリアについて一度考え直す必要があるのか
為末大
イノベーションの本質を考える(1)イノベーションの定義
イノベーションの定義はパフォーマンスの次元が変わること
楠木建
ウォーレン・バフェットの成功哲学(1)「世界一の投資家」の実像
世界一の投資家ウォーレン・バフェット…賢人と呼ばれる理由
桑原晃弥
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(1)時代に請われ、時代に応えた佐藤一斎
部下を育てるには、まず佐藤一斎に学べ!
田口佳史
行動経済学とマーケティング(1)「行動経済学」とは何か
人間はそれほど合理的ではない…行動経済学の本質に迫る
阿部誠

人気の講義ランキングTOP10
数学と音楽の不思議な関係(4)STEAM教育でつくる喜びを全ての人に
世界で最もクリエイティブな国は? STEAM教育が広がる理由
中島さち子
続・日本人の「所得の謎」徹底分析(2)政府債務と預金残高の背景
なぜ日本の所得水準は低いのに預金残高は大きいのか
養田功一郎
経験学習を促すリーダーシップ(2)経験から学ぶ力
米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長
松尾睦
「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率
各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴
片山杜秀
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
未来を知るための宇宙開発の歴史(9)宇宙開発を継続するための国際月探査
「国際月探査」とは?アルテミス合意と月探査の意味
川口淳一郎
第2の人生を明るくする労働市場改革(1)日本の労働市場が抱える問題
シニアの雇用、正規・非正規の格差…日本の労働市場の問題
宮本弘曉
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(8)満州事変と世界大恐慌
「100年戦争」と考えて戦争に突入した日本の現実
片山杜秀
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(1)弥生時代はいつ始まったのか
なぜ弥生時代の始まりが600年も改まった?定説改訂の背景
藤尾慎一郎
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子