この講義シリーズの第1話は
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今どきの若者たちのからだ、心、社会
思春期の子どもの幸福感に影響するのは母親よりも父親!?
今どきの若者たちのからだ、心、社会(4)人生の幸福感を左右する思春期の経験
健康と医療
長谷川眞理子(日本芸術文化振興会理事長/元総合研究大学院大学長)
スマホやタブレット等の利用時間が伸びた結果、若者の睡眠時間が短くなり、絶望感を感じる若者の割合が増えてきた――これはアメリカの研究結果だが、世界的にも思春期の研究が進む中、デジタルデバイスが若者に与える悪影響が明らかになり、衝撃を与えている。また、長谷川氏らによる「コホート研究」では、インターネットの濫用から多動・不注意・抑鬱状態との悪循環が陥ることが分かった。そこで最終話では、イギリスで行われた研究結果なども踏まえて人生の幸福感を左右する思春期の経験、家族の関係性について解説する。(全4話中第4話)
時間:11分27秒
収録日:2024年11月27日
追加日:2025年7月26日
収録日:2024年11月27日
追加日:2025年7月26日
≪全文≫
●電子デバイスが増えると睡眠時間も生きる気力も減ってゆく?
世界的にも、いろいろなことがあります。これはアメリカのデータですが、2009年から2015年の間に、睡眠時間が7時間に足りない若者の割合がどんどん増えたのです。特に2013年からは非常に増えています。そして、これ(左下図)が同じアメリカの若者で、高校生だったと思いますが、継続的に悲観・絶望感を感じている若者の割合です。これがまた2009年からどんどん増えて、(2015年以降は)こんなに増えているのです。
同じ年数ではないですが、2013年あたりから急激に睡眠時間が短い子が増えました。そして、2015年から急激に絶望感が増えたのです。これはなぜだろう。十分な睡眠というのは思春期の健康な生活に絶対基本的に必要です。
2012~2013年からなぜ睡眠時間が減ったのか。そして、なぜメンタルが悪くなったのかというので、それでは他の何をしているかを見たところ、宿題の時間は増えていません、アルバイトも増えていません、テレビ視聴も増えていません。なので、(要因は)もうスマホ・タブレット以外にないと思われます。
そのような電子デバイスの利用時間が伸びた結果、若者の睡眠時間が短くなって、そして数年後から非常によくない、継続的に悲観・絶望感を感じる若者の割合が増えてきたということです。やはり「スマホとかタブレットはちょっとねぇ…」という結論です。
●インターネットの濫用にはじまる悪循環
うちの「東京ティーンコホート」でも、思春期女子で、SNSの利用頻度が多いと、やせ願望が強い。それで摂食障害になりやすいということが論文で出ました。
ここ(スライド)では「TVなど」と書きましたが、これはTVというよりはSNSです。これもSNS利用で調べたのですが、「こんなに素晴らしい子がいる」「こんなに素晴らしい私」といったものばかり見せられていると、やはりもっとやせなくてはというようにやせ願望が強くなり、そして食べなくなって、とてもよくない状態に陥る。それを明らかにした論文です。
インターネットの濫用と多動・不注意、抑うつ症状というものの因果関係は(これまで)分からなかったのですが、われわれのコホート研究で、インターネットの濫用が全てをお...
●電子デバイスが増えると睡眠時間も生きる気力も減ってゆく?
世界的にも、いろいろなことがあります。これはアメリカのデータですが、2009年から2015年の間に、睡眠時間が7時間に足りない若者の割合がどんどん増えたのです。特に2013年からは非常に増えています。そして、これ(左下図)が同じアメリカの若者で、高校生だったと思いますが、継続的に悲観・絶望感を感じている若者の割合です。これがまた2009年からどんどん増えて、(2015年以降は)こんなに増えているのです。
同じ年数ではないですが、2013年あたりから急激に睡眠時間が短い子が増えました。そして、2015年から急激に絶望感が増えたのです。これはなぜだろう。十分な睡眠というのは思春期の健康な生活に絶対基本的に必要です。
2012~2013年からなぜ睡眠時間が減ったのか。そして、なぜメンタルが悪くなったのかというので、それでは他の何をしているかを見たところ、宿題の時間は増えていません、アルバイトも増えていません、テレビ視聴も増えていません。なので、(要因は)もうスマホ・タブレット以外にないと思われます。
そのような電子デバイスの利用時間が伸びた結果、若者の睡眠時間が短くなって、そして数年後から非常によくない、継続的に悲観・絶望感を感じる若者の割合が増えてきたということです。やはり「スマホとかタブレットはちょっとねぇ…」という結論です。
●インターネットの濫用にはじまる悪循環
うちの「東京ティーンコホート」でも、思春期女子で、SNSの利用頻度が多いと、やせ願望が強い。それで摂食障害になりやすいということが論文で出ました。
ここ(スライド)では「TVなど」と書きましたが、これはTVというよりはSNSです。これもSNS利用で調べたのですが、「こんなに素晴らしい子がいる」「こんなに素晴らしい私」といったものばかり見せられていると、やはりもっとやせなくてはというようにやせ願望が強くなり、そして食べなくなって、とてもよくない状態に陥る。それを明らかにした論文です。
インターネットの濫用と多動・不注意、抑うつ症状というものの因果関係は(これまで)分からなかったのですが、われわれのコホート研究で、インターネットの濫用が全てをお...
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