「教養とは何か」を考えてみよう
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「アマチュア」の語源から学びについて考える
「教養とは何か」を考えてみよう(13)【深掘り編】学びの在り方
自分が苦心して学び、気づいたことに対して、先人がとっくに答えを出していたと分かったとき、わたしたちはどう考えればいいのか。それは骨折り損の行為なのだろうか。対話講義の後に行われた質疑応答編その1。(全15話中第13話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:14分23秒
収録日:2020年10月26日
追加日:2021年7月20日
≪全文≫

●貢献できる自分を誇り、先人は「わたしの友」だと思う


―― 今日はまことにありがとうございました。

五十嵐 こちらこそありがとうございます。

―― 教養という問題について哲学的に考えるとどうなるかということで、大変興味深いお話をうかがいました。三つばかり質問させていただきたいと思っております。

 一つは学びの在り方です。どう学んでいくか、というところになりますが、今日のお話で特に強調されたのは「他者」ということで、いろいろな相手から影響を受けて学んでいくというところでした。

 ある視聴者参加型のテレビ番組に、「20年かけて魔球を開発したので、ぜひプロ野球選手に教えたい」と言ってきた人がいた。それで実際にプロ野球選手を呼んできて、その魔球を投げてもらった。プロ野球選手自身も実際に投げて、「あ、よく曲がりましたね」と、なった。続いて選手が言ったのは「これは、カーブですね」ということで、チャンチャン、一幕の終わりでした。

 大学の先生方は本当にたくさんいろんなことを学んでいらっしゃるので、そういう危険性はないと思うのですが、一般の、例えばわたしどものテンミニッツTVで学んでいるような方ですと、自分が一生懸命学んできたものが、実は「あ、これはもうベンサム(Jeremy Bentham)が言っていた話だった」とか、「これはルソーが言ったことに似ていた」とか、そういうケースは、もしかしたらあるかもしれないなと思うんですね。

 では、そういう学びは無駄だったのかどうなのか。一生懸命自分で考えて、まさに今日の話で言えば自分を鍬で耕した挙句、結果的にそういうことになった場合、自分の行ったことはどうなるのか。それを避けるための学びがあり得るのか。それとも、それを恐れずに進むべきなのか。そのあたり、どのようにお考えなのかということをお聞かせいただけますでしょうか。

五十嵐 まずカーブのお話なんですけれど、ご自分で20年かけてカーブを発明したという、その20年間はどんなに楽しかっただろうと思うんですね。しかも、その人はそれを野球選手に教えたら、自分が貢献できると思ったわけですよね。それで、教えたけれども、それはもうすでに誰もが知っているカーブだったということ。でも、わたしはその人の20年間は全く無駄ではなかったと思うんです。

 だって、その20年間、その人は一生懸命自分で考えて、たぶんいろん...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
老荘思想に学ぶ(1)力のメカニズム
老荘思想は今の時代に人類の指針となる
田口佳史
道徳と多様性~道徳のメカニズム(1)既存の道徳の問題点
多様性の時代に必要な道徳とは…科学的アプローチで考える
鄭雄一
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(1)「イエス」とは一体誰なのか
「イエス・キリスト」という名前の本当の意味は?
竹内修一

人気の講義ランキングTOP10
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
熟睡できる環境・習慣とは(3)睡眠にいい環境とお風呂の入り方
布団に入る何分前がいい?入眠しやすいお風呂の入り方
西野精治
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(2)『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏への道
『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏のすごさ…波へのこだわり
堀口茉純
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
『貞観政要』を読む(1)長期政権を目指す者の必読書
北条政子も愛読した長期政権のバイブル『貞観政要』
田口佳史
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
プロジェクトマネジメントの基本(2)プロジェクトの複雑性とマネジメント
コスパが鍵!? 顧客満足につながる品質マネジメントとは
大塚有希子