「教養とは何か」を考えてみよう
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
モンテーニュが説いた「歴史を勉強すること」の意義
「教養とは何か」を考えてみよう(15)【深掘り編】学んだ価値観にハマるリスク
三つ目の問いは、学びが深まるにつれて一つの価値観に凝り固まってしまい、バランスのとれた見方を失うことのリスクについてである。それは思想を深める者にとって避けるべき危険なのか、他者と意見を交わし合うことは、そのためにどう役立っていくのか。質疑応答編その3。(全15話中第15話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分29秒
収録日:2020年10月26日
追加日:2021年8月3日
≪全文≫

●自分だったらどうするかという判断力を鍛えるために歴史を勉強する


―― 三つ目の質問は、前回の五十嵐先生のお話に非常に通じるところだと思うんですけれども、好きなことを学んでいく形になっていくと、得てして一つの体系にどっぷりつかっていくことがあると思います。

 一番極端な典型例を言ってしまいますと、イデオロギー的な部分であったり、宗教的な部分もそうかもしれませんが、例えばマルクス主義的な歴史観を学んだ人は、ずっとマルクス主義的な歴史観の価値観で、それに合うような話をどんどん自分の周りで理論化していくというケースがあります。

 それが一種の鎧というものなのかもしれないけれども、自分のアイデンティティとも結びついていて、「世の中はこう見るべきだ」とずっと思ってしまっているケースがあるかもしれません。もちろん保守主義的な歴史観を持っている人からすれば、逆のふくらませ方もあるかもしれないわけです。

 仏教を学んでいる人やキリスト教を学んでいる人にもそういうところがあるかもしれない。でも、今日の「抛下」というキーワードは、「離さなきゃいけない」「見直さなきゃいけない」局面があるというお話でした(第9話)。

 ただ、ある程度学んだ人であれば、例えばマルクス主義の歴史観の弱点は、批判されるとしたらここだということも分かっているでしょうし、逆の立場でもそうだと思います。そうなると、非常に相対主義的になってしまい、自分のなかで何が正しいのか少し分からなくなり、どう思って生きていけばいいのかを見失ってしまう危険性もあるように思うのです。

 学ぶときにどういう心がけで学んでいって、例えば自分とは違う理論、自分とは違う価値観についてどういうような形で対峙をし、向かい合っていって、その上で自分自身の価値観としてどう考えていくべきか。これについてもしヒントがあれば、ぜひ教えてください。

津崎 うーん。今マルクス主義の話が出たから、マルクス主義に限定すると、有名なのはカール・ポパー(Karl Popper)の「反証可能性」という考え方があります。

 カール・ポパーに言わせれば、マルクス主義とフロイト主義というのかな、これらは科学=サイエンスではない。なぜならば、あらゆる反証や批判を受けつけず、すべてを文字通りきれいに説明できる。そのことに酔っていると言えばいいのかな。

 科学というの...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(37)長谷川眞理子先生の公開収録!
【アンケート&公開収録】長谷川眞理子先生:男と女でどう違う?能力の高め方
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(2)タタールのくびきと「第三のローマ」
なぜロシアが「第三のローマ」なのか?…東ローマ帝国とモンゴル帝国の根深い影響を探る
上月豊久
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠
江戸とローマ~日本酒とワイン(2)ローマの酒文化とファストフード
ポンペイのファストフード店、遺跡が物語るローマの酒文化
本村凌二
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀