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マルクス

マルクス
カール・ハインリヒ・マルクス(1818~1883)はドイツの哲学者、思想家、経済学者にして革命家。科学的社会主義(マルクス主義)を打ち立て、フリードリヒ・エンゲルスとともに1848年『共和党宣言』を発表、ドイツの社会主義運動を指導した。1849年渡英後、イギリスに活動拠点を置く。ヘーゲル哲学、フランスの空想的社会主義、フォイエルバッハの唯物論等を批判的に取り入れ、独自の階級史観を体系づけ、著作『資本論』とともに資本主義の矛盾を追究するマルクス経済学の理論を生みだした。その理念を実践すべくロンドンにおいて第一次インターナショナルを結成。革命運動にも積極的に身を投じた。マルクス派の活動はパリ=コミューンの敗北、ドイツにおける社会主義鎮圧運動の影響を受けるが、現代でもドイツの社会民主党などにその政治的理念は息づいている。「10MTVオピニオン」では、公立大学法人首都大学東京理事長・島田晴雄氏が日本の戦後復興とマルクス経済に関係線を引き、マルクス経済学者・有沢広巳が考案した「傾斜生産方式」が日本の経済発展に大きく寄与したことを解説。また、上智大学名誉教授渡部昇一氏が、1929年の世界大恐慌を予言的中させたかのようなマルクスの言葉を紹介し、世界と日本の経済動向を解説している。

大恐慌とケインズ…様々な恐慌克服の処方箋の真実を探る

本当によくわかる経済学史(9)ケインズ、計画経済、オーストリア学派
1929年の世界大恐慌ではFRBの金融政策の失敗が明らかにされなかったため、「古典派経済学には限界があるのではないか」と皆が考えるようになってしまった。そこで代わって台頭したのが、ケインズ経済学やマルクス...
収録日:2022/06/08
追加日:2023/02/01
柿埜真吾
経済学者

限界効用理論とは?…労働価値説の誤りをいかに示したか

本当によくわかる経済学史(6)労働価値説から限界革命へ
マルクス主義が「主流」になれなかった大きな理由は、彼らが依拠した「労働価値説」への異議が噴出したことにあった。実は「労働価値説」は古典派経済学もマルクス主義も依拠していたが、経済学の「主流」では、...
収録日:2022/06/08
追加日:2022/12/21
柿埜真吾
経済学者

異端の経済学者…ドイツ歴史学派、社会主義、マルクス主義

本当によくわかる経済学史(5)古典派を批判した異端者たち
古典派経済学が一世を風靡した時代には、それに批判的な意見も登場する。それが、ドイツ歴史学派や、社会主義、マルクス主義といわれるグループだった。これらの考え方は今でも根強く残っているのだが、やはり「...
収録日:2022/06/08
追加日:2022/12/14
柿埜真吾
経済学者

モンテーニュが説いた「歴史を勉強すること」の意義

「教養とは何か」を考えてみよう(15)【深掘り編】学んだ価値観にハマるリスク
三つ目の問いは、学びが深まるにつれて一つの価値観に凝り固まってしまい、バランスのとれた見方を失うことのリスクについてである。それは思想を深める者にとって避けるべき危険なのか、他者と意見を交わし合う...
収録日:2020/10/26
追加日:2021/08/03

社会主義や共産主義の問題点は「善意で失敗していること」

マルクス入門と資本主義の未来(10)【深掘り編】社会主義・共産主義の基本と失敗
古い経済理論は、単純化して組み立てられているので、現在の新しい経済状況のもとでも利用できる要素を見出すことはできるはずである。また、共産主義や社会主義という言葉は、ソ連崩壊以降ネガティブな意味を持...
収録日:2020/09/09
追加日:2021/02/25
橋爪大三郎
社会学者

日本が目指すべきビジネスモデルはどこにあるのか

マルクス入門と資本主義の未来(9)【深掘り編】中国モデルと日本の未来
中国では共産党が革命家党から資本家党へと変貌し、党員が資本家となって、国家という巨大組織が資本の流れをコントロールするという新たな潮流を生み出している。一方で、GAFAなどのように、新たなイノべーショ...
収録日:2020/09/09
追加日:2021/02/18
橋爪大三郎
社会学者

現在のグローバル経済をマルクス主義で見てみると?

マルクス入門と資本主義の未来(7)【深掘り編】現代における労働価値説の捉え方
グローバル化の進展は、『資本論』の中では予見されていなかった。世界経済は一体化し、富の平準化の傾向が見られる一方、政府は互いに対立するという現代の状況を、適切に記述する政治経済モデルの誕生が求めら...
収録日:2020/09/09
追加日:2021/02/04
橋爪大三郎
社会学者

マルクスの『資本論』をなぜ今、読み返すべきなのか

マルクス入門と資本主義の未来(6)技術革新とグローバル化の影響
マルクスが予見しきれなかった中産階級は、今日急速に減少しつつある。近代経済学によれば、その理由はグローバル化が進んだことにより生産設備が発展途上国に移転したこと、コンピュータなどの技術革新によって...
収録日:2020/09/09
追加日:2021/01/28
橋爪大三郎
社会学者

なぜマルクスの予言は失敗だったか…『資本論』の問題点

マルクス入門と資本主義の未来(5)『資本論』の弱点
マルクスの描いた未来予想図は当時の人々に衝撃を与えたが、その後、彼の予言通りにはなっていない。その現象的な理由としては、マルクスが言及しなかった「中産階級の出現」が挙げられる。こうした問題が生じた...
収録日:2020/09/09
追加日:2021/01/21
橋爪大三郎
社会学者

マルクス主義の非常に重要な概念「階級」とは何か

マルクス入門と資本主義の未来(4)階級闘争と共産党
マルクス主義にとって重要な概念「階級」は、近代に特有のものではなく、形態を変えて古代から連綿と続いてきたものである。近代において「階級闘争」を妨げているのは、国家によるイデオロギーの操作であるため...
収録日:2020/09/09
追加日:2021/01/14
橋爪大三郎
社会学者

マルクスが『資本論』で説く「搾取」と「剰余価値」の真実

マルクス入門と資本主義の未来(3)労働価値説と「搾取」の概念
労働価値説では、生産に用いた労働に基づいて価値が生まれると規定した。リカードはこの説に対して一貫した態度を取らなかったが、マルクスは一貫して労働価値説に傾倒し、剰余価値を資本家が掠め取る「搾取」と...
収録日:2020/09/09
追加日:2021/01/07
橋爪大三郎
社会学者

マルクスの名著『資本論』はどのようにして誕生したのか

マルクス入門と資本主義の未来(2)経済学の歴史的発展
マルクスの初期の思想発展にヘーゲルが果たした影響は無視できない。しかし、ヘーゲル左派は社会に問題が出現するメカニズムに目を向けなかったため、マルクスは不満を感じ、経済の分析を通じてその点を克服しよ...
収録日:2020/09/09
追加日:2020/12/31
橋爪大三郎
社会学者

マルクスを理解するための4つの重要ポイント

マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスは世界で最も偉大な社会科学者の一人であるが、最近の学生の中には彼の思想に関して知らない人も増えてきているという。そこで、今回の講義ではまずマルクスを理解するための重要な点として、ユダヤ系ド...
収録日:2020/09/09
追加日:2020/12/24
橋爪大三郎
社会学者

マルクス:下部構造が上部構造を規定する…唯物史観とは?

西洋哲学史の10人~哲学入門(9)マルクス 下部構造が上部構造を規定
マルクスは「下部構造が上部構造を規定する」という表現により、これまでの西洋哲学を根本から転倒させた。全世界の社会主義や共産主義にも影響を与えた彼の考えの中核はどのようなものなのか。専修大学文学部の...
収録日:2018/02/09
追加日:2018/06/22
貫成人
専修大学文学部教授

仕事の標準・単純・専門化が労働を苦役化した

労働寿命と健康寿命の延伸(2)日本人の労働観
第1話では、健康長寿を保つための社会参画、とりわけそれが日本人にとっては「働く」ことの大切さにつながることを説いた。今回は、「働く」という言葉を手がかりにして、一般財団法人日本予防医学協会理事長の神...
収録日:2018/02/22
追加日:2018/04/28
神代雅晴
元一般財団法人日本予防医学協会理事長

池田勇人の所得倍増計画はなぜ成功した?鍵は下村治の理論

敗戦から日本再生へ~大戦と復興の現代史(11)占領後の日本の戦後復興(下)
日本の戦後復興が一段落すると、「東洋の奇跡」と呼ばれた高度成長の時代がやってくる。今回は、日本の成長に直接結びついた二つのポイントをやや詳しく追いかけ、廃墟からの大発展の原因を分析する。公立大学法...
収録日:2016/07/08
追加日:2017/08/09
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

戦後のリベラルを振り返ると、今リベラルは大変旗色が悪い

戦後レジームとは何か~IMF、自民党、リベラル(3)リベラルの戦後史からの考察
丸山真男、鶴見俊輔、加藤周一。それから、小泉信三、田中美知太郎、猪木正道、河合栄治郎に連なる人たちに、高坂正堯、永井陽之助。さらには、香山健一、佐藤誠三郎、西部邁、中嶋嶺雄まで――現在はリベラルには...
収録日:2015/12/03
追加日:2016/01/18
曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授

恐慌は資本主義の必然―マルクスの予言が的中、評価急上昇

本当のことがわかる昭和史《3》社稷を念ふ心なし――五・一五事件への道(5)保護貿易と金解禁がもたらした昭和恐慌
1929年の世界恐慌により悪影響を与えたのは、その翌年に成立したアメリカのホーリー・スムート法だった。この法により、世界貿易は1年で半分になったといわれる。そして当時、奇しくもマルクスが「資本主義...
収録日:2014/12/22
追加日:2015/08/24
渡部昇一
上智大学名誉教授