「教養とは何か」を考えてみよう
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「教育には二種類ある」キケロが説いた人間性を磨く思想
「教養とは何か」を考えてみよう(5)「大吟醸」のように磨かれて
古代ローマの雄弁家キケロは、教育には二種類あると述べた。子どもに対する教育が一通り終わった後、必要になるのが「フマニタス・ポリティオル」という「人間性を磨く」ための教育だという。人間性を磨くのは、キラキラにするためではない。余分なものを削って普遍にたどりつくためである。(全15話中第5話)
時間:10分35秒
収録日:2020年10月26日
追加日:2021年5月25日
≪全文≫

●キケロが指摘した「二種類の教育」とは


津崎 前回の話を聞いていて、もう一回出発点というのかな、話の最初のほうに戻っていくと、「知識」も必要。つまり、知識を入れておく「箱」も必要だけれども、もう一つ上に段階があって。例えば、その箱を壊していく。箱から自由になる。あるいは箱に入っていた知識と一見すると関係がなさそうな知識を結びつけていく。こういうふうに、二段階ありそうだと分かってきたんだけど、そこで思い出したのがやっぱり同じキケロなんだけど、『弁論家について』のなかでキケロは「教育には、二つあるんだよ」と言っている。

五十嵐 うんうん。

津崎 ラテン語で言うと“institutio puerilis(インスティトゥティオ・プエリリス)”。“puerilis”は「子どもの」で、“institutio”というのは、英語の"institution”のもとになった言葉。要するにまず子どもの教育があって、それが終わった後に「フマニタス・ポリティオル(humanitas politior)」がくる。“politior”は、英語で言うと、「磨きがかけられた」という意味の“polished”ね。“humanitas”のほうは大問題で、一方で「人間性」と訳されたり、ドイツ語でいうとフマニテート(Humanität)かな、「人間らしさ」ということだよね。

 前回の“Bildung”の話だと、例えばヘルダー(Johann Gottfried von Herder)やフンボルト(Wilhelm von Humboldt)といった18世紀から19世紀の人は、「“humanitas”は与えられているけど、それは磨かないと、本当にちゃんとした“humanitas”になりません。だから、“Bildung”しましょうね」と言った、なんて話もあったりする。

 いずれにしても、まず子どもの教育があって、そのなかにちゃんと「食育」も入ってくるわけね。ちゃんとご飯を食べさせるのは、「養育」という意味での「養う」でもあるんだけど。あるいは「読み・書き・そろばん」で、要するに基礎的な知的能力を授けるとか、そういう知識をつけていくこと。


●人間らしさを磨くために“empathy”を身につける


津崎 それが終わった後、僕たち...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸
人生に活かす東洋思想(1)人生の成功とは何か
東洋思想の「徳」や「道」をわかりやすくいうと?
田口佳史
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(4)アレクサンドル・ネフスキーの英雄化
ロシアの英雄「アレクサンドル・ネフスキー」はなぜ英雄か…ドイツ騎士団と戦った歴史がどう利用されたか
上月豊久
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(8)『オデュッセイア』の世界的影響
オデュッセイアが物語のフォーマット?…アラビアンナイトから百合若物語、ひまわりまで
松村一男
今後の技術革新と企業経営(6)仮想通貨とフィンテック
仮想通貨が本当の「通貨」にならない理由
柳川範之
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(4)郡家の発掘と新田山を詠んだ東歌
「東歌」に刻印された奈良時代の真実とは?…地方に気をつかい地方のパワーを取り込んで中央政権はできていた
上野誠