2020年全米暴動を考える
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
日本にとって大きな意味を持つのは米国が内戦状態にあること
2020年全米暴動を考える(2)文化マルクス主義と分断化
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
人種問題によるアメリカの分断化は、過激な文化マルクス主義を追求する民主党のイニシアティヴによるものだという。トランプ大統領の目標の一つに、その行き過ぎた文化マルクス主義との決別がある。アメリカ独特の価値観をもとに統一を目指す彼は、今回の暴動を好機と捉え、2020年大統領選での再選に向けて加速していくと考えられる。では日本にとって、この問題はどんな意味を持つのか。(全2話中第2話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:13分04秒
収録日:2020年6月11日
追加日:2020年6月27日
カテゴリー:
≪全文≫

●文化マルクス主義、草の根運動、そして新自由主義の奇妙な結合


 次に、文化マルクス主義と民主党の関係について取り上げます。文化マルクス主義とは、文化ヘゲモニー論を唱えたイタリアのマルクス主義者グラムシの思想に基礎を置いています。これは、支配者側の価値観が文化的な基準と見なされるという主張です。裏を返せば、メインストリームの文化を破壊すれば社会は崩壊するということです。こうした主張が、冷戦期の新左翼に影響を及ぼしました。

 また、1960年代には草の根運動が理論化されました。ソウル・アリンスキーというロシア系ユダヤ人の理論家が、この運動に大きな影響を与えました。ヒラリー・クリントン氏は、大学の卒業論文でアリンスキーの草の根運動論を扱っています。バラク・オバマ氏もアリンスキーの理論に影響を受け、草の根運動に積極的に関わっていました。

 冷戦後の世代の民主党、特にクリントン氏やオバマ氏に代表される勢力は、文化マルクス主義とアリンスキーの草の根運動論に、強い影響を受けています。ここに矛盾が生じます。すなわち、彼らも貧民層を煽って草の根運動を展開するだけでは限界があることが分かっていました。特に大統領選で勝利するためには、資金が必要です。そのため、新自由主義(ネオリベラル)勢力と協力して、グローバル経済のために奔走するというスタンスを取りました。

 その結果、文化マルクス主義、草の根運動、ネオリベラリズムの奇妙な組み合わせが生まれました。ANTIFAは、民主党の親衛隊のような役割を果たしています。実際に、毛沢東時代の中国の紅衛兵(Red Guard)をモデルに組織されています。民主党が通常の手段で解決できない問題が発生すると、ANTIFAを動員して矛盾を解決しようと努めるのです。


●今回の暴動はトランプにとってはむしろ大統領再選への好機


 最後に、今回の暴動とトランプ大統領の関係についてご説明します。トランプ大統領は、マスコミで報道されるように、人種差別主義者だと思われがちですが、実はそうでもありません。彼の目標はいろいろとあるのですが、その大きな一つが行き過ぎた文化マルクス主義との決別です。特にオバマ大統領時代に、民主党が過激な文化マルクス主義を追求しました。例えば、LGBTの問題があります...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
独立と在野を支える中間団体(1)「中間団体」とは何か
なぜ中間団体が重要か…家族も企業も学校も自治会も政党も
片山杜秀
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉

人気の講義ランキングTOP10
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
幸福な老年への智恵をキケロに学ぶ…惨めな老年の4つの理由とは
本村凌二
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(4)欲望と欲求と欲動
ほしいものが、ほしいわ。…欲望の無限運動が資本主義の基盤
斎藤環
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(6)リベラルアーツの本質
自分にしかできない自分の世界を味わうために、他の人とつながる
橋爪大三郎
編集部ラジオ2026(19)橋爪大三郎先生のリベラルアーツ論
【10min解説】橋爪大三郎先生:AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か
テンミニッツ・アカデミー編集部
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(8)AI時代の人間の価値
労働市場改革を妨げる労組や、不登校を救えぬ文科省こそが邪魔だ
宮本弘曉
睡眠と健康~その驚きの影響(3)グリンパティック・システムと脳の健康脳
昼寝が認知症予防に!?脳のグリンパティック・システムとは
西野精治
知られざる「脳」の仕組み~脳研究の最前線(1)脳科学と「ミクロのマクロの隔たり」
脳が生きている、死んでいるとは?最新研究で迫る脳の秘密
毛内拡
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹