野党論から考える日本政治の課題
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日本維新の会は全国で勝てるか…野党の「壁」とは?
野党論から考える日本政治の課題(4)選挙と野党の関係
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
選挙の勝ち方は単なる技術的対策で、政治とは無関係だといわれるが、選挙戦の勝利なく野党が政権党になることはあり得ない。現在の選挙と野党の関係について考えるときには、小選挙区制と比例代表制のそれぞれの場合により戦い方が違うことを念頭に、双方をクリアする方法を編み出さなければならないのである。(全4話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分57秒
収録日:2021年12月7日
追加日:2022年3月7日
カテゴリー:
≪全文≫

●小選挙区制と比例代表制の戦い方の違い


曽根 ちょっと数式が出て恐縮ですが、小選挙区制と比例代表制で、どうしてこれほど作戦が違うのかということを簡単に申し上げておきます。

 議席が1議席の場合は、2分の1(50パーセント)以上の票を取ると1議席は確保されます。つまり相手(他の候補者)がどれだけ票を取ろうが、1議席は確保されます。これが2議席だと、3分の1(33.3パーセント)以上の票を取れば、他の候補者が何票取ろうと、1議席は確保されます。これは法則ですから、かなりはっきりした数字になっています。実際は候補者がたくさんいますから、それよりは少なくて済むのですが、基本は1議席なら2分の1、つまり小選挙区制なら2分の1の票を取る必要があるのです。

 いろいろな国のデータを調べていくと、経験的にもそうですが、第1党と第2党が実質競争をしていて、第2党と第3党の間にギャップがあることが分かっています。そうすると、実質的には2つの候補者間の競争になるのが小選挙区制です。

 一方の比例代表制では、ドイツの場合は5パーセント条項があり、少数党を切り捨てています。日本はそういうものをつくることができませんから、ブロック制をとっています。ただ、ブロック制をとっていても、四国と近畿では最低当選ラインが全然違います。だから作戦が異なるのです。近畿であれば少数党でも当選が可能だということです。

 そう考えると、小選挙区制の場合は50パーセント以上を目指さないといけないわけですが、ある地域に特定の政党の支持者が固まっていることがあります。例えばスコットランド国民党(SNP)です。スコットランドにはスコットランドの地域政党があり、これが保守党や労働党よりもずっと強いのです。

 日本維新の会も、大阪の場合にはそういう強さを持っています。ただ、これが全国規模に展開するかどうかは別の話です。

 もし全国規模に展開して、上の表で見るようにどこへ行っても自民・立憲・共産の全てを蹴散らすだけの大量票を取っていければ、維新は日本で政権を取れます。ところが、そうならないから、野党は選挙協定を結ばざるを得ないのです。

 これは簡単な話で、小選挙区では、自公は一本化どころか、選挙協力で候補者が決まっていて、一人しか...

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