「議会と民主主義」課題と処方箋
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
二大政党化のはずだが…選挙区制の目的が達成できない理由
「議会と民主主義」課題と処方箋(2)小選挙区比例代表並立制の大問題
政策本位の政治や、政権交代の可能性を目指して導入された小選挙区制であるが、多様な意見の反映には課題が多い。また、二大政党や政権交代の実現にはまだまだ距離があるが、比例代表や並立制の機能も十分に活用されているとはいいがたい。現在の選挙制度では公認の獲得が難しく、政党の影響力が強いために新人の参入を阻んでいる。そこで今回は、優秀な政治家を育成しつつ、新しい視点を取り入れていくためにはどうすればよいかについて議論する。(全8話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分57秒
収録日:2024年6月7日
追加日:2024年10月27日
カテゴリー:
≪全文≫

●政治に参入するための新たな制度設計


―― まさに今の議題である、どうしたら優秀な人材が政治に入ってくるかというところなのですけれど、ひと言でいってどうすればよろしいのでしょうか。そのあたり、日野先生、いかがですか。

日野 2つあると思います。1つは優秀な政治家を育て続けるということ。もう1つが、新しい視点を常に入れていくということだと思います。選挙制度としては、やはり優秀な政治家というのは選挙に勝っていきます。

 そして、継続して政治家として、議員として経験を積んでいく。場合によっては政務官、副大臣、大臣と、そういう経験をさらに積んでいく。経験を積んでいくということは必要ですから、選挙にしっかりと勝っていくことで、有権者にその声を届けることができる政治家を育てていくということが、一方では必要であり、もう一方で、やはり多様な意見を常に入れ続けることです。

 優秀な政治家を育てていくということは大事なのですけれど、しかしそうすると、やはり永田町であったり、その世界で経験を積んでいくので、それ以外の社会のことはどうしても分からなくなっていく部分もあると思います。その場合に新しい声が入ってくるような、新しい政治家を入れていくような仕組みというものを考えるという、その2つを、両面をしっかりと満たす制度設計が必要なのではないかと思います。

―― アメリカなどですと、よく回転ドアというような言い方もされて、政治家をやって、またシンクタンクに戻ったり、あるいは役人をやっていた方が政治家になって、またシンクタンクに行くということがあります。

 いろいろ経験を、キャリアを、その前の経験を生かしながらうまくキャリアを積んでいって、政策通になっていくというような方法もあると思うのですけれど、日本でそれがやりづらいのはどうしてなのでしょうか。

日野 やはり、選挙に出るというときに、まずは公認を得なければいけないということが大きいと思います。それは、政党の個々のガバナンスによりますけれど、今の政党の状況で、そういった人材を登用していくということは、少なくとも小選挙区制において、なかなかその小選挙区の公認を得るというのは難しいのです。

 おそらくそういう方が入ってきやすいのは比例代表で、政党がこの人というように決める場合です。その個々の選挙区事情はあまり考えずに、(つまり)そ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール
島田晴雄
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
垂秀夫
日本の財政と金融問題の現状(1)財政赤字の何が問題か
日本の財政は本当に悪いのか?将来世代と金利の問題に迫る
木下康司
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜