●政治の世界に優秀な人材をいかにして集めるか
―― 皆さま、こんにちは。本日は日野愛郎先生と島田光喜さんに、議会制民主主義を選挙制度などでいかに変えていくかという、処方箋のお話をいただきたいと思います。両先生、どうぞよろしくお願いをいたします。
日野 よろしくお願いいたします。
島田 お願いします。
―― きょうはいろいろなテーマで、お話をいただければと思っておりますけれど、最初にお聞きしたいのが、いかに政治家に優秀な人材をリクルーティングするかというところでお話をお聞きできればと思っています。
特に政治の世界というのは、国を導いていく、指針を立てていく仕事になりますから、本当に優秀な人にやっていただかないと困ると思うのですが、まず、どうやったら優秀な人材が政治の世界に入っていくのかということで、逆にいうと、何が邪魔になっているのか、なかなか入りづらいのかというところをお聞きしたいです。特に制度的な面で、どういうところに足枷があるのかというのをお聞きしたいと思うのですけれど、そのあたり、まず概説的にいうと、島田さん、どのようなイメージになりますか。
島田 そうですね。私、もともと国会議員の学生秘書をやっていたということもありまして、だいたい今のファクトですが、日野先生からいろいろあると思いますが、そのファクトでいうと、だいたい今の国会議員は3パターンとよくいわれています。
まず、1つがお父さん、お祖父ちゃんの代からで、3代、4代と、いわゆる「世襲」の先生ですね。その先生方が特に与党などは多いというのは、これは皆さんご存じだと思います。
それから、もう1つが「官僚」からで、途中まで官僚としてキャリアを積まれていて、途中から出られるという方です。この方々はずっと政策をやってきていらっしゃいますので、政策を回していくという意味ではものすごく優秀な人材であるということは間違いないのですけれど、これも一定数枠があります。
そして最も少ないのが、いわゆる「叩き上げ」で、秘書から入って、区議会議員、県議会議員、都議会議員、そして国会議員にチャレンジするというところの、だいたい3パターンに類型されるかなと思うのですけれど、なかなかこの叩き上げというところは枠も少ないですし、いつその枠が空くかも分かりません。
いわゆる新卒一括採用のようなことは絶対ないわ...