「議会と民主主義」課題と処方箋
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
供託金の問題…候補者の質を担保するために考えるべき方策
「議会と民主主義」課題と処方箋(4)供託金の没収だけで良いのか?
政治と経済
政治改革を実現するためには政治理念を継続して共有していくことが重要である。そのためにも優秀な政治家を育てていくという有権者の意識改革が必要となる。そこで課題となるのは、多様な考え方を政治の場に入れていくために兼業の問題をどうするか、また候補者の質を担保するのに、「供託金の没収」だけで良いのだろうか。他に打つべき手は? 今回はそれらについて議論を進める。(全8話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分01秒
収録日:2024年6月7日
追加日:2024年11月10日
カテゴリー:
≪全文≫

●政治改革を実現するためには理念の共有が重要


―― 例えば、もしそういう(シンクタンクのような)仕組みができたとすると、官僚の方でも上の言うことを聞いているだけではなく、「じゃあ、俺はもう飛び出て、そのシンクタンクで今までの経験を生かして、自分の政策を追求するんだ」という人も出てくるかもしれないですし、大学の研究者の方も特に政治学をやっている方は、実地にどう絡むかというところで、そういうところでキャリアを1回やってみようという方もいるかもしれません。たぶん、いろいろなキャリアがそこで形成される(のではないでしょうか)。

島田 そうですね。うまく官僚の方とアカデミアの方の真ん中に立つような組織というものがあると、それこそリボルビングドアが進むことにもなりますし、やはり転職していかないと給料が上がらないということも実はあると思うのです。今、公務員の方の給料とか待遇というのはいろいろあると思いますけれど、そういう意味ではおっしゃった通り、そこの間の立場として、その政策をつくるシンクタンクのようなものがあるというのは、結構大きく変わるのではないかと思います。

―― いろいろな流れの中でどうやっていくのかというのは大事だと思いますが、そういうものがなかなか実現できない、あるいはどうやったら実現できるかというところについて、日野先生はどのように思われますか。

日野 実現を阻んでいる要因の1つとしては、先ほどもおっしゃられた野党の分裂状況であったり、党がコロコロ変わるというような状況があるので、組織的な継続性が失われているという面はあると思います。

 あとは、やはりその理念を持った人ということは非常に重要であると思います。その政党がどうあるべきなのか、そして政治改革の議論のときもそうですけれど、その理念というものが、当時は政治家にも一定程度共有されていたと思いますし、今でもそれはあると思うのですが、あまり理念が語りにくいといいますか、いったんその旗を下ろしてしまったようなところがあるので、今さらというような感覚もあると思います。

 そして、この議論自体が「前も相当した(行った)議論だよね」というような感じにどうしてもなってしまうのです。それは、やはりその理念の弱さといいますか、本当の意味でその理念を共有できていないからで、そのときに飛びついて「マニフェスト選挙だ」...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
「新しい資本主義」の本質と課題(1)新自由主義と『21世紀の資本』
新自由主義からの時代背景から「新しい資本主義」を問う
柳川範之
自民党総裁選~その真の意味と今後の展望
「マスコミ報道」では見えない自民党総裁選の深い意味
曽根泰教
トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(1)国際秩序の転換点と既存秩序の崩壊
経済秩序や普遍的価値観を破壊し、軍事力行使も辞さぬ米国
佐橋亮
トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交(1)リヤド演説とトランプ・ドクトリン
トランプ・ドクトリンの衝撃――民主主義からの大転換へ
東秀敏
政治学講座~選挙をどう見るべきか(1)選挙の意味
選挙と政治権力…「選挙に勝つ」とはどういうことか?
曽根泰教

人気の講義ランキングTOP10
数学と音楽の不思議な関係(4)STEAM教育でつくる喜びを全ての人に
世界で最もクリエイティブな国は? STEAM教育が広がる理由
中島さち子
続・日本人の「所得の謎」徹底分析(2)政府債務と預金残高の背景
なぜ日本の所得水準は低いのに預金残高は大きいのか
養田功一郎
経験学習を促すリーダーシップ(2)経験から学ぶ力
米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長
松尾睦
「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率
各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴
片山杜秀
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
未来を知るための宇宙開発の歴史(9)宇宙開発を継続するための国際月探査
「国際月探査」とは?アルテミス合意と月探査の意味
川口淳一郎
第2の人生を明るくする労働市場改革(1)日本の労働市場が抱える問題
シニアの雇用、正規・非正規の格差…日本の労働市場の問題
宮本弘曉
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(8)満州事変と世界大恐慌
「100年戦争」と考えて戦争に突入した日本の現実
片山杜秀
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(1)弥生時代はいつ始まったのか
なぜ弥生時代の始まりが600年も改まった?定説改訂の背景
藤尾慎一郎
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子