「議会と民主主義」課題と処方箋
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
与党も野党もシンクタンク機能は必須…どうすればいい?
「議会と民主主義」課題と処方箋(3)政党の政策能力とシンクタンク機能
これからの日本の政治において、政党の政策立案力を高めることは必須であり、特に野党がその任を負う立場にある。政策能力を向上させるために重要なのは、各政党がシンクタンク機能を持つことと、政党助成金の有効活用である。マニフェスト選挙の課題を乗り越え、政策本位の選挙を実現するためには、比例代表制を活用した政策論争の場を充実していくことも大切である。今回はシンクタンクのあり方など、具体的な取り組みを考える。(全8話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分46秒
収録日:2024年6月7日
追加日:2024年11月3日
カテゴリー:
≪全文≫

●政党の政策立案力をいかに強化できるか


―― 今、いろいろ選挙制度面でのお話を聞いてまいりましたけれど、次にその人材開発面では、実際、どのように政策というものがつくられるのか、バックヤードにどれだけ強い政策スタッフなりがいるのか、というところからお聞きしたいと思います。日本の政党が政策をつくる力を高めるためには、足りないもの、あるいはこうしたほうがいいということについて、どのようにお考えでしょうか。日野先生、いかがですか。

日野 やはり政党が主体的に政策をつくるということについて、特にこれは野党にいえると思いますが、与党はやはり行政として回していくということになるので、新しい政策が出てくるというのは、これまでもだいたい野党が新しい政策を提示して、そこでダイナミズムが生まれるということがあるわけです。その野党のときに政党がどれだけ新しいものを提示できるか、そこは本当に党として主体的にどれだけの政策をつくり上げることができるか、提案できるかということだと思います。

 諸外国を見ても、例えばオランダの労働党ですが――野党で社会主義系というか、社民系ですね――その労働党のウィム・コックさんが野党のときに、ワークシェアリングのことで提案をして、それがオランダの奇跡といわれるような、2パーセントの失業率まで下がる「ポルダー・モデル」のようなものをつくっていくということがありましたが、野党のときにそのようなことを提案していきました。イギリスのブレア首相のときもそうですけれど、第三の道を野党のときにしっかりと練っていったという流れがあります。

 そのような流れをつくるのは、政策を練る時間がある野党のほうにやはり期待したいところであります。そして、シンクタンクであるとか、そういった、やはり政党が政策をつくる、構想していく力というものを高めていかないといけないと思います。

―― (それを)日本ができないのは、資金力がないからなのでしょうか。何が足りなくてそういうものができないのでしょうか。

日野 必ずしも(資金力がないということではなく、)その政策に力を入れましょうというようなことは、政策担当秘書制度をつくったりとか、政党助成金自体もそうですし、政党を強くしようというようなことで、1990年代の流れはそういった議論があったと思います。さらに、選挙制度改革も1990年代の政治改革の...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
墨子に学ぶ「防衛」の神髄(1)非攻と兼愛
『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
田口佳史

人気の講義ランキングTOP10
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(3)医療の大転換と日本の可能性
近代医学はもはや賞味期限…日本が担うべき新しい医療へ
鎌田東二
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(3)認知バイアスとの正しい向き合い方
知ってるつもり、過大評価…バイアス解決の鍵は「謙虚さ」
今井むつみ
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
徳と仏教の人生論(1)経営者の条件と50年間悩み続けた命題
宇宙の理法――松下幸之助からの命題が50年後に解けた理由
田口佳史
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
『「甘え」の構造』と現代日本(2)日本人の自責意識と自由の限界
「Thank you」か「I am sorry」か…日本人の癖とは?
與那覇潤
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
デカルトの感情論に学ぶ(1)愛に現れる身体のメカニズム
デカルトが注目した心と体の条件づけのメカニズム
津崎良典
AIとデジタル時代の経営論(6)暗黙知と判断力
AIは「暗黙知・常識に基づく高度な判断」が不得意
一條和生