●政治への関心を高めている若者たちの現実
―― また、先ほどの早稲田の政治サークルの話に戻ってしまうのですけれど、数は増えているのですか。要するにそこに入ろうと思う人が、年々減っているのか、増えているのか、というところはどうですか。
島田 最近は特に増えていますね。
―― 増えているのですか。
島田 100人を超えていますから、むしろ私も怖いなと思っているほどです。ある意味で、そこが増えるというのはいいことですけれど、やはり皆さんが社会課題に問題意識を持っていて、政治に関心がある・ないということでは、政治に関心がないというのは必ずしも悪いことではありません。なぜならば、それだけ生活が安定していて、そういう政治に対して不満とか疑問を持たなくてもいいような暮らしができているから、関心がないのだという人もいると思います。
ということは、裏を返すと、今、私がいたようなところに100人以上入ってきているということは、それだけ皆さんが問題(意識)を持っていて、これを変えなければいけない、そのためには政治が必要だと思っているということが、その人数が増えているということにつながっているとすると、それは必ずしもいいのかどうかということはあります。ただ、人数としては特にここ5年でものすごく増えているということです。
―― 日野先生は、まさに学生さんを日々ご覧になっている中で、そのあたりの学生さんの関心の持ち方について、どのようにお感じになっていますか。
日野 私のいる学部は政治経済学部なので、そこは多少のバイアスはあるかもしれないのですが、関心のある学生がやはり多く集まっているところだと思います。なので、まったく関心がないわけではないですけれど、その問題意識であるとか考えていることが、本当に政治の世界で自分が出て変えようだとか、(そのことにつながっているかというと)そこの断絶は多少あるのかなと思います。
なので、政治の世界というものがまったくの別世界ではなく、それは自分の世界であるし、今の世界ではなくても、自分がキャリアを積んでいくときに、どこかで接点があって、自分が「実際に出てみよう」とか「関わってみよう」と思う世界かもしれない。その思いを持ちながら、政治を見てほしいという思いはあります。
(ただ、)ずっと別世界であるということは必然ではないですし、全員が全員、...