ポスト冷戦の終焉と日本政治
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
プーチン・習近平の登場とオバマの罪…ポスト冷戦第3期
ポスト冷戦の終焉と日本政治(2)2012年から始まる世界激変の時代
中西輝政(京都大学名誉教授/歴史学者/国際政治学者)
ポスト冷戦時代の第3期は、世界情勢にとって大きな分かれ道となった2012年からの10年ほどである。この機をさかいに、プーチンのロシアや習近平の中国が強硬路線を前面に押し出すようになってくるが、それを可能にした要因として、アメリカのオバマ大統領の影響が大きかったと中西輝政氏は述べる。一体どういうことなのか。世界激変の時代であるポスト冷戦第3期について詳しく解説する。(全7話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分02秒
収録日:2023年5月24日
追加日:2023年7月4日
カテゴリー:
≪全文≫

●プーチンと習近平の登場


中西 そして、ポスト冷戦時代の第3期が、2012年頃から今日までの10年余り。この時代が最近の一番荒れた、世界激変の時代です。2012年が非常に重要な曲がり角でした。

 なぜかというと、先ほど申し上げた通り、この年にプーチンがもう一度、いったん退いた大統領職に戻ってきた。ところが、戻ってきたプーチンは以前のプーチンとは違って、非常に強面で、いきなり国民を弾圧し始め、民主化を唱える勢力を目の敵にして次々と取り締まり始めるのです。

 2012年の反プーチンデモが、彼にとっては大変ショックだったとよくいわれます。それ以後、今日のプーチン全体主義といってもいい、(ソ連の)スターリン体制に匹敵するほどの、ロシアにつながるのは、やはり2012年以後のことだったと思います。

 それから2012年は中国で、それまでの習近平副主席が共産党の総書記に就任して、胡錦濤に代わり中国ナンバーワンの地位に就いた。その当時、習近平はどういう人物か、多くの人はまだよく分かっていなかったと思います。

 ところが、2012年9月、当時の民主党政権(野田政権)が尖閣諸島を国有化したのですが、その直後に代わって登場した習近平総書記の中国共産党は、中国の海警(日本の海上保安庁にあたる)の巡視船が8隻も、日本の尖閣諸島周辺に一挙に領海侵犯し、長期間にわたり居座らせました。これはかつてないほどの敵対的行為だということで、驚きました。

 その2年前にしかし、尖閣諸島沖で中国漁船衝突事件があったので、日本では「またやっているな」程度にしか実は考えなかった。ですが、胡錦濤政権のやり方と習近平政権のやり方は実は全然意味が違っていたことが、後で分かるのです。

 私はその時に「これはやはり深刻なことになる」ということを直感しました。

 というのも、2009年、民主党の鳩山政権時だったと思いますが、習近平副主席(当時)が訪日したわけです。日本にやってきて、「どうしても天皇陛下に会わせろ」と言った。これにはわれわれは驚きました。天皇に謁見できる外国の訪問客は、少なくとも1カ月以前にその申請を出さなければならない。これは例外なしに、アメリカ大統領でもそうで、日本政府の方針は確固としたものです。それを無視して習近平は、「どうしても会わせろ」と中国外務省を動かして、日本政府に強圧を加えたわけです。ご承知の通り、日本...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史

人気の講義ランキングTOP10
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
デカルトの存在論に学ぶ(1) 「我思う、ゆえに我在り」
「我思う、ゆえに我在り」はデカルトの専売特許ではない
津崎良典
編集部ラジオ2026(28)自由喪失の危機に考えるハイエク-1
斎藤幸平氏に物申す…自由喪失の危機に読みたい自由主義の近現代史
テンミニッツ・アカデミー編集部
ギリシア悲劇への誘い(7)ギリシア悲劇を論じた歴史
アリストテレス、ニーチェ…哲学者によるギリシア悲劇批評
納富信留
原因と結果の迷宮~因果関係と哲学(6)不在因果の問題
不作為(◯◯しなかったこと)の原因は無限に拡散する
一ノ瀬正樹
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
不便益システムデザインの魅力と可能性(2)不便がもたらす4つの益
写ルンです、おやつ300円まで…不便がもたらす益の数々
川上浩司